悪い奴ではないけれど #風邪 #詐病 #カラオケ #呑み会 #飲み会

悪いヤツではないんだけどなぁ

 
腰をいためてしまいました。
数年前に腰を痛めて、それが時々、何の気ない時に再発します。
今回は趣味のサイクリング中。半分は身体を鍛える目的で始めた趣味ですから、ちょっとした坂道は座ったまま漕いで登ります。
ところが、いつもの坂道の途中で、腰に違和感。
今は、立ち上がるのにも大変な状態です。

さて、お話の方…なんとか、頑張ってみます。

私は、長い事、雑誌の編集・制作の会社に勤めておりました。
その頃のお話です。

昔の後輩に「N島」という男がおりました。
仕事は、まあまあ出来る方でしたが、責任感に乏しいというか、体調不良でちょいちょい休む男でした。
まあ、実際は体調不良というより、気分次第で出勤・欠勤だったと思います。

その日も、始業時間ギリギリになって、N島から電話がありました。
―…スミマセン。N島ですが…風邪引きまして、今日休ませて頂けませんか? うっ…えほっ!  えほっ!―
病に苦しむ感じが、良く伝わって来る電話でした。
「ああ…まあ、風邪なら仕方ないな。今抱えてる仕事の進行状況は問題ないの?」
―あ、はい、入稿予定はまだ先ですので、大丈夫です。…えほっ!  えほっ!―
「あそっ、じゃあお大事にな」
と言う事で、その日N島は、風邪で休み。

そしてその夜。予てから決まっていた会社の飲み会での事です。

予約していた店は四ツ谷の「ツボエイト」(仮名)
今でも現存するチェーン店ですが、このころは勢いのある店で、
居酒屋とは思えない豪華な造りになっていて、芸能プロダクションや某放送局も近くにあったもんだから、
結構、有名人とかも見かけたりする店でした。

「株式会社○○で予約した者ですが」
と、お店の人に言うと、
「あ、はい、お連れ様がお待ちです」
と言います。
「お連れ様ぁ?」
私たちが第一便だったし、営業部を除けば、ほぼ全員で来たはずでした。
案内された座敷に行くと、風邪で休んだはずのN島が居る。

会場に一人座って、軽く瓶ビールを手酌でやってたりします。
私達を見つけると、

「お先に軽く飲ってます」

と言う風に、笑顔でグラスを上げて挨拶を寄越しました。
「お前、なんやっとん? 風邪で休んだんとちゃうんかい?」
思わず関西弁が出るくらい愕いた私に、N島は、

こ、これは異な事を申される

という表情で、
「だって、付き合いだから、仕方ないじゃないですか」
と目を剥いて言い返しやがりました。
「なら、昼間の仕事も付き合えや」
と返され、みんなにも笑われたN島でしたが、無理を押して飲み会に参加した事を、何故解ってくれないのか?
そこが不満だったようです。
ま、肝心の風邪ですか、酔いが回った頃には、風邪だった事すら忘れてしまった様で、
二次会ではマイクを握りしめて、熱唱しておりました。(^^ゞ

ヤツは、長渕剛さんの「とんぼ」を歌ってて、
「♪~東京のバカヤロゥガァ」
という件では、
「バカ野郎はおめぇだよ!」
と、みんなから突っ込み入れられてました。(^O^)

風邪で休んだものの、
「あっ、今日は楽しい呑み会じゃないか」
と、思い出して、無理を装って出てきたんでしょうね。

このN島ですが、後日「腕時計の心理学」で、面白い答えをいたしました。

携帯電話の普及で、最近は、腕時計を持つ人も減ったそうですが、
この腕時計…現在なら、携帯電話、スマホに相当するでしょう。
これらに求めるモノが、自分の配偶者や恋人に求めるモノになる。
という心理学があります。

会社の女の子たちが、みんなに聞いて回って、はしゃいでました。

私の場合は「正確さ」と「頑丈さ」で、まあ、私がパートナーに求めるモノとしては、間違ってはいないのでしょう。
この話で盛り上がっていた時、部屋に入ってきたN島に、女の子たちが、
「N島君は腕時計に何を求める?」
と聞きましたら、
「腕時計は持たないよ。人に見せて貰えば済む事だから」
と答えました。
みんな、大爆笑。

彼は、彼女がおりませんでしたし、無責任な所が、女の子から不人気だったから、
この時の答えは、本当にナイスで、みんなに笑われておりましたね。(^^ゞ

悪い奴ではないんだけど、なんか信頼の出来ない男でした。

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