「いじめ(子供間犯罪)」問題を考える②  #いじめ #イジメ #学校

いじめ被害者への対応態度

私のカミサンの中学時代の話しです。

この話は、カミサンの中学時代からの友人からも聞いた話なので、カミサン一人の思い込みとかではありません。
うちのカミサンは、中学二年生の頃、酷いイジメを受けていました。
事の初めは、イジメを止めに入ったこと。
クラスの男の子数名から、酷いイジメに遭っていた男の子が居て、目に余るイジメだった為に、
「アンタ達いい加減にしなさい」
と止めに入り、その翌日から、イジメのターゲットはカミサンに移ったそうです。
通学途中にいきなり腹を膝蹴りされる。
教科書のページが鉛筆で真っ黒に塗りつぶされ、別のページに「死ね!」と書かれてあったり、帰宅してカバンを開けてみると、いつのまに切ったのか、内側がズタズタに刻まれていたりしたそうです。
心配かけたくないので、親には言えなく、先生に相談したそうですが、その時の先生の対応が、
「いじめられる、お前の方にも責任があるんじゃないのか?」
だったそうで。
それも、諭すような目で、
「よく考えてみろ」
と言われたそうです。
「私の何処に、責任があるんでしょうか?」
と、思ってもまだ中学生。
言い返すだけの度胸を得るには、あと数年の人生を待たなければならなかったようです。
最近では、さすがに、こんな対応をする先生は少ないとは思いますが、
「いじめられる側にも、なんらかの責任はある」
と考えている大人は、未だ多いようです。
かくいう私も、かつては、深く考えもせず、
「いじめられる側にも責任がある」
と言っていた一人でした。
何故、
「いじめられる側にも責任がある」
という考えがあるのでしょう?
ひとつは「ケンカ両成敗」から来ている考えかも知れません。
でも、同等の戦い、本当のケンカなら、当てはまるかも知れませんが、一方的に、イジメを受けている子に対しても、同等の責任を問うというのはおかしいですよね。
強盗被害者と加害者に、同じ刑が課せられるなんて、犯罪経緯が、よほど特殊でも無い限り、あり得ません。
あと「狙われる方にも隙があるんだ」的な考えもあるのでしょう。
最近は、むしろこちらの方が主流のように思えます。
イジメを受ける子の場合、性格が温和しい事は多いです。
中には「もう少し、毅然としておいた方が良いぞ」
と言いたくなる位、温和しい性格の子もいます。
大人社会では、恐喝等の暴力被害に遭いそうな人…という事になりますが、それでも、被害者に責任があるとは言えませんよね。(狙われない様に、ある程度、気をつける努力は必要ですが)
昨今のニュースを見ても、犯罪で女性が狙われるケースが目立ちますが、これだって、犯罪者側からすると、女性の方が与し易いと考えるからです。
それで「狙われやすい、女性にもなんらかの責任がある」と言えるでしょうか?
「イジメを受ける子は、イジメを呼び込む何かがある」
という方も居られます。
呼び込む何かとは「与し易きタイプ」という事でしょうけど、それで、責任を問うというのは、暴論ではないかと感じてしまいます。
このような考えの方って、自身に娘さんとか居たとして、強盗強姦事件の被害者になった時、
「お前には、強姦を呼び込む何かがある」
とか
「襲われたお前にも、責任はあるんじゃないのか?」
とか、
身も心も傷ついて居る我が子に対しても、言えるんでしょうか?
やはり、子供社会と大人社会は構図的には同じ。
とは、考えにくいのでしょうね。
そこには、なんか、ある種タブーに近い感覚もある様な気もします。
対処方法に関しては、ともかく「構図は同じである」。
という考えから始めないと、イジメの本質も見えにくくなる様な気はします。

f:id:kosodatehiroshi:20200830110839p:plain