おススメのウイルス関連本 #ウイルス #コロナ

ウイルス学の基礎を知るならこの二冊

ウイルスは人間の敵か味方か―最小の生物の正体に迫る
畑中 正一 (著)

子育てヒロシ的評価=★★★★★

ウイルスは生物をどう変えたか―進化の演出者・ウイルスの世界を探る
畑中 正一 (著)

子育てヒロシ的評価=★★★★★

私はホットゾーンという、ノン・フィクション本を読んでから、
「ウイルスとは、なんぞや?」
まさに「ウイルスは未知」でした。
それから、三十冊以上、ウイルス関連の本を読むことになります。

勿論、感染症を引き起こす病原体であることくらいは解ってましたが、実態といいますか、同じく感染症を引き起こす、バクテリアとどう違うのか等もよく分かっていませんでした。
調べてゆくと、ウイルスの仕組みや立場(?)が分かってきて、面白くなってたまりませんでした。

例えば、
生物の定義として、
①進化出来る事
②増殖出来る事(種を増やせる。自己複製)
③生命を守る器を持っている事(細胞膜を持っている)
④自己維持が出来る事(食事をしそれを分解、自己の細胞に組み立て直す。酸素を取り込み二酸化炭素に変換する代謝など)
があります(この辺は高校の生物位で習った方も多いのでは)。
しかし、ウイルスは先ず④が出来ない。つまり、食事をしない。代謝行動をしません。③の細胞膜も持っているタイプ(コロナ、インフルエンザ等)と、持っていないタイプ(ノロウイルス等)があり、②の増殖、自己複製も、自力ではできない。細胞を持つ生物に寄生し、細胞の複写機能を利用しなければ増殖できません。これが、発病という形になるんですが、本来、ウイルスも宿主(しゅくしゅ)を殺してしまっては意味がないので、付き合いの長い生物の中では、地味に増殖する程度である。
ウイルスとは、数本~十数本の遺伝子鎖を持つだけの生物なんですが、細胞を持つ生物を基準に見ると、果たして生物なのか? 生物なんだろうけど、生きてるの? となんとも不思議に思えて来ます。
ウイルスは何万、いや何十万種もあって、一般にDNA型、RNA型、エンベロープ型、ノン・エンベロープ型に大別されますが、実際には60系統以上百数十以上のタイプがありますが、その中で人類に脅威を与える種類は、ごく一部にしかすぎません。RNA型ウイルスは変異が早い、なぜ早いか? 等、書きたいことは山ほどありますが、兎に角面白い。実に勉強になりますので、中高生はもとより、大人の方にも是非読んでいただきたい二冊です。
特に、高校生くらいの方には、先ず、この二冊を切っ掛けに、ウイルス、DNA、RNAに興味を広げて欲しいと思います。
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写真で紹介した八冊は、その中でも、解りやすかった物をピックアップしました。
どれも初版が20数年前のものなので、中には絶版となったものもあるかも知れません。
その中でも、現在も出版されていて、尚且つ一番わかり易かった2冊を紹介いたします。

ウイルス学では、やはり「畑中正一」先生でしょう。
名文家だし、とにかく、ウイルスや遺伝子についてわかり易く書かれています。
これを、とっかかりに、他のもう少し難しい感じの本を読めばかなり理解が進みます。
生物の授業を取っている高校生には、おススメです。