中学生位から読んで欲しい本「関ヶ原」 #司馬遼太郎 #関ヶ原 #徳川家康 #石田三成  #岡田准一 #有村架純

不朽の名作 司馬遼太郎関ヶ原

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関ヶ原 全三巻

…「不朽」と書くと、どうしても「ふくち」と読んだ部下の事を思い出します。
まあ、それは、置いといて、今回ご紹介したいのが、こちら、私の敬愛する作家作品。
中学生くらいから、是非、読んで欲しい本です。小学生でも五、六年生位なら読めなくもないと思います。

関ヶ原」(新潮文庫)全三巻 司馬遼太郎 著

子育てヒロシ的評価=★★★★★+★

著者の司馬遼太郎先生は「司馬史観」という言葉が生れたほど、鋭い視点で沢山の歴史小説を描かれた方です。
この関ヶ原も、家康VS三成の複雑な駆け引きを絶妙なタッチで描いています。凡庸な作家さんだと、史実の複雑さに翻弄されて、書き込みすぎ、返って分かりづらい内容になってしまった事でしょう。随所に出てくる、史実に基づいたエピソードも大変勉強になります。合戦末期の戸田重政と従僕・寅のエピソードも、わずか十数行で見事に描き表していらっしゃいます。

【あらすじ】

1598年。時の天下人、太閤・豊臣秀吉が死去する。秀吉亡き後、天下を簒奪しようと目論む五大老筆頭・徳川家康。豊臣政権を守ろうとする五奉行いちの切れ者石田三成。両者の政治的頭脳戦が展開される。三成は米沢・上杉景勝と連携し、家康を挟撃せしめんとする。決戦の地は美濃・関ヶ原。「大一大万大吉One for all, All for one」を旗印に、重臣の猛将・島左近と共に決戦に挑むが…

【こぼれ話】

近年。決戦の地は「関ヶ原」ではなく岐阜城の東に広がる各務原かがみがはらではなかったか。という説があります。しかし、実際に関ケ原を巡った事のある私は、関ケ原だったろうと思います。松尾山の要塞化の跡の他、各陣所の整備跡など、後世の人が整備した。かも、知れない分部もありますが、関ヶ原の方が足跡がしっかりある様に思われます。(各務原はちゃんと見たことないけど)

大一大万大吉・One for all, All for one】

「だいいち、だいまん、だいきち」は「一人は万民のために、万民は一人のために尽くせば、皆に幸福は訪れる」というような意味で、One for all, All for one「一人はみんなのために、みんなは一人のために」と同じような意味になる。ただ、ラグビーに詳しい人から言わせると「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」が正しいんだって。

TBSドラマ 関ケ原

【DVD・Blu-ray
加藤剛森繁久彌 (出演)
子育てヒロシ的評価=★★★★★

TBSが創立30周年記念番組として、1981年1月2日から1月4日までの三夜連続で放映した大型時代劇です。
加藤剛さん演じる石田三成は、融通の利かない生真面目さが良く出ています。森繁久彌さん演じる徳川家康も狸オヤジの異名通り、大物政治家のしたたかさがよく出ていました。島左近役の三船敏郎さんと、その主人役の加藤剛さんのコントラストも原作に近くて最高です。合戦シーンも良く工夫されていて、大軍に見せている所が、泣かせます。ただ、80年作81年発表の作品ですから、山を映し出したシーンに、鉄塔が二本映っている等、思いっきりNGシーンもあります。ラストで三國連太郎さん演じる政敵「本多正信」が、三成の愛妾「初芽(松坂慶子さん)」の元を訪れるシーンがあります(原作では黒田如水が訪れている)。この時の、初芽と正信のやりとりと「貴方様は三成様に少しも似ておりません」のセリフは好きで、ラストシーンだけは、ドラマの方が上を行ってる感があります。


一応紹介 映画 関ヶ原 Blu-ray 通常版
岡田准一有村架純役所広司(出演)  原田眞人 (監督)
子育てヒロシ的評価=★(稀に見る駄作)

俳優陣は最高。
監督さんも、ラストサムライやスピリットでは俳優さんとして出ておられて、プロデューサーとしては敏腕らしく、人柄も良さそうですが…しかし、この作品は、まとまりがなく、駄作だと思います。原作「関ケ原」の面白さは、家康と三成の政治的駆け引きや、戦場での駆け引きにあり、黒田長政などが調略に奔走したり、登場人物もそれぞれにキャラが立っていました。ですが、映画では、全体の流れも分かりにくく、人物もみんな薄べったい存在。合戦シーンも安っぽい作りで、せいぜい二百人位が戦っている感じ。とても、東西合わせて二十万近い軍勢が犇めいているようには見えませんでした。せめて、陣構え位はしっかり作りこんで欲しかった。相互関係も分かりづらく、実際に関ケ原に行ったことのある私でさえ、一体どこで戦っているかがわかりづらい。関ケ原の顛末を知らない人が観たら、本当につまらない映画でしょう。俳優さんたちは、みなさん渾身の演技をしていただけに、惜しいですね。直江書状の件や、小山軍議での山内一豊のエピソードなども描かれてなく、三条河原での処刑前の柿の件もない。描かれてない部分があまりにも多すぎると思います。関ケ原での、島左近の士卒達が負けが見えているにも関わらず、全員が家康本陣を目指して突撃する場面位は入れて欲しかった。あれが、島左近の稀有な統率力を表す名場面なんですけどね。映画のCMで「映像化不可能と言われた」なんて言ってましたが、40年ほど前の、TBS作品で既に映像化されています。しかも、あちらの方がよっぽど出来が良くて、原作に近い。
「映像化不可能といわれた」という宣伝文句が出た作品は、大抵駄作です。(昔「砂の惑星」という映画があって、やはり「映像化不可能といわれた云々」といわれ、内容はからっきしだった)
ともあれ、出ている俳優さんたちは豪華だし、好きな俳優さんばかりなのですが、残念ながら、観る価値があるかどうか? と思います。
関ヶ原 付箋セット

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