大人の理屈。子供への愛情は一緒に居る時間の長さではない #子供への愛情は一緒に居る時間の長さではない

以前…東京8チンネルの番組で、

「待機児童問題」について「働きに出たい主婦・主夫」や「保育園の増設」「育児は基本家庭で行うものなのか」など、MC二人、三名の有名タレントと一人の評論家とで議論しておりました。

まあ、こう言った問題には、正解は無いと言いますか、子供の個性や各家庭の事情、家族構成などによって、答えは無数にあるものです。

いや、本当は「答え」なんてないのかも知れませんね。
難しい問題です。

「フルタイムで働きたい」

母子家庭、父子家庭、或いは共働きでも、フルに働きたい人は多いです。
「仕事に夢を持っているから」という方もいるでしょうが、殆どの場合、子供を養うためでしょう。
仕事を失わないためには、残業も辞さない姿勢でないと、仕事のオファーのあるタレントさんとは違い、一般社会では、あっという間に仕事を失う厳しさがあります。
(タレントさんも、その個性に飽きられれば、たちまち仕事が無くなる厳しさはありますが)

番組中、タレントでもある構成作家さんが言いました。

「子供と一緒にいる時間の長さが、親の愛情と言う訳ではない」

仮に、1日、1~2時間しか一緒に居られなくても、
その短い時間で目一杯愛して上げれば、子供だって納得してくれる。

というと、他のシングルマザータレントさんも、我が意を得たとばかりに追従いたします。

確かに、仕事の都合で、一緒にいられる時間が短くても、親の愛情が薄いと言うわけではありません。会えない分、むしろ、逆かも知れません。

これらの会話を受けてでしょう。

元・保育士という視聴者から、次のようなメールが届きます。

「保育園で延長保育の子供ほど、荒れている子が多く、そのような子は、親が向かえに来ると、途端に良い子になりました。」

で、フリーアナウンサーの女性タレントが、カメラ目線で、
「それは、あなたの勤めていた保育園が、たまたまそうだっただけで、どんな、子供も荒れるわけではありません」

と仰いました。

勿論、この女性タレントさんの仰っている事は、間違いではありません。
ですが、残念ながら
「子供の感じる、親の愛情の深さとは、一緒にいてくれる時間の長さに比例する」
と思います。

元・保育士さんの言う「荒れる子」は、倅の通っていた保育園でも、確かに、延長保育の子供に多く見られました。

一番荒れる時間帯は、四時~五時。

荒れる理由は、大抵、四時~五時にママに向かえに来て貰える「おともだち」への嫉妬です。
自分の親は向かえに来てくれない事への、寂しさと不満で荒れるようです。
勿論、全ての子が、そうだという訳ではありません。

そして、母親が向かえに来てくれると、良い子にしたい、良い子にしていれば、明日は早く来てくれると、思っていたりします。

寂しさから荒れる子は、まだ良い方で、一見、良い子にしてて、黙々と遊んでいる子の方が、要注意の場合もあります。

この手の子は、心の中で、
「良い子にしていれば、きっと、ママが早く向かえに来てくれる」
と思っている子が多くて、荒れている子に対して、
「あんな事をしているから、ママが来ないんだ」と思っていたりします。

実際、私に「あの子は悪い事してるからママが来ない」と言った、延長保育の女の子が居ました。

保育園でも温和しくしているから、親の事情を理解してくれている。
と思ったら、大間違いだったりする訳です。

本心は
「こんなに良い子にしているのに、どうして、いつもお迎えが遅い」
と恨み辛みを心に貯めているケースもあります。

実は、こうした「親の思い」と「子供の思い」のズレが、あとあと、大きな爆発に、繋がる事も少なくありませんので、今、温和しくて聞き分けがよいからといって、安心出来ません。
と、言うよりも「聞き分けの良い子」ほど、心に不満を抱えている事が多いので、気を配ってあげた方が良いでしょう。

「子供の、小さな欲求を満たして上げないと、ツケが溜まる」
に当てはまるひとつかもしれません。

現実、子供…特に小さい子供って、短い時間で、濃縮された、息切れのする様な愛情を注がれるよりも、ふと顔を上げると、いつも親が側に居てくれる方が、幸せと感じているもののようです。

私自身も、幼少期に随分寂しい思いをしましたし、倅の保育園時代も、保育参観終了後、仕事に戻ろうとする母親に、すがって泣いている子を沢山見ました。

そういった事もあって、私の場合、幼少期だけでも、出来るだけ一緒にいてあげる事に決めました。

仕事で良い話があっても、
「今の時期は諦めよう」という事もありました。

まあ、カミサンも働いていたから、言える事でしたけど…

子供のために、働く親の都合を理解して欲しいものですが、小さな子が本当に、それを理解するのは難しいものです。

幼くして、本当に親の仕事を理解出来ているとしたら、それもまた「たまたま」でしょうね。全ての子供には当てはまりません。

殆どの場合、理解してくれるのは、十代中盤~くらいかも知れませんね。

母子家庭、父子家庭、共働き家庭。事情も色々あって、一括りに
「子供が幼いウチは、一緒にいる時間を出来るだけ増やしましょう」
なんて、言えませんけど、親子間の気持ちのズレだけは、いつも確認しあって、埋めて行く努力は必要だと感じております。

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親子の「心のズレ」だけは防ぎたいものです。