人種差別を超えた友情の物語 #人種差別 #黒人 #白人 #シドニーポワチエ #映画

夜の大捜査線

1967年【米】
監督 ノーマン・ジュイソン
脚本 スターリング・シリファント
原作 ジョン・ボール
製作 ウォルター・ミリッシュ
出演者 ロッド・スタイガー
シドニー・ポワチエ
ウォーレン・オーツ

人種差別を超えた友情の物語

子育てヒロシ的評価=★★★★

【あらすじ】

アメリカ。ディープ・サウスの小さな街。街の有力者が殺害される事件が起きる。街をしらみつぶしに巡回捜索する白人警官「サム・ウッド」(ウォーレン・オーツ)が駅で見つけたのは、身なりの良い黒人青年「ヴァージル・ティッブス」(シドニー・ポワチエ)だった。
「黒人」でよそ者、というだけで容疑者として、署に連行。ゴリゴリの差別主義者の白人署長「ビル・ギレスピー」(ロッド・スタイガー)に、侮辱的な尋問を受けるヴァージル。しかし、彼はフィラデルフィア市警の腕利き刑事だった。
疑いは晴れたものの、フィラデルフィア市警の上司から「そちらの殺人事件の捜査に協力するように」命令を受けるヴァージル。署長と共に捜査を開始するが、黒人と捜査する事が気に入らない署長は「先生」(吹き替えでは)と呼び、嫌味ばかりを言う。黒人差別の激しいディープサウスで、捜査は困難を極めるが、誠実で有能なヴァージルに、署長は段々と惹かれてゆく…
事件は解決し、署長自らがヴァージルのブリーフケースを二つ運び、駅まで見送る。
「先生…俺にはまだ、黒人への差別がある。でもよ、先生。俺はオメェの事は好きだぜ」
という、セリフは、吹き替えの方がジンと来る。

【こぼれ話】

署長が見送った後、高速列車に乗ったシドニー・ポワチエをヘリコプターで並飛行撮影した場面になるのですが、私のノスタルジー的記憶では、
ポワチエは列車の窓際の席で新聞を読み、ふと、顔を上げる。そして、徐に おもむろ に外を見ると、署長の別れ際の言葉を思い出したかのように、フッと笑って、再び新聞に目を落とす。
だったのですが、久しぶりに観ると、ポワチエは新聞も読んでなく、固まったように車窓から外を見ていました。
「あれ? こんなだったっけ?」
と思いました。ノスタルジーの美化ってやつですかね。

【余談】

私は、これ見よがしに可哀そうな話は、正直気持ちが引いてしまう所があります。
この作品のように、憎しみ合ったもの同士が理解し合って行く話の方に弱いです。
その系統で、最初に観た作品がこの「夜の大捜査線」でした。
その他、タイトルは忘れてしまいましたが、戦争映画でガダルカナルを舞台に、日米が戦い、累々たる死体の中で、怪我をした青年米兵と、同じく怪我をして横たわる同い年位の日本兵が、十数メートルを隔て、互いに言葉も分からないまま、友情が芽生えてゆく映画がありました。米青年兵士が、チョコバーの様な食べ物を投げてやり、その返礼に日本兵青年が何か食べ物を投げ返そうとした時、米後続部隊が現れ、日本兵が手榴弾を投げようとしていると誤認して射殺。日本兵青年の射殺を見て米兵青年は驚愕。担架で運ばれながら号泣する。という映画も泣けました。

が、しかし、その後、このパターンの映画はけっこう現れて、ちょっと、ありがたみが薄くなった感もあります。
ザ・ダイバーしかりグリーンブックしかりです。
でも観ると、それなりに面白いですし、感動もします。もし、私が、ザ・ダイバーやグリーン・ブックの方を先に観ていたら、そっちで泣けていたんでしょう。

夜の大捜査線」「ザ・ダイバー」「グリーン・ブック」こうした、人間関係、人間模様を題材にした作品は、字幕より吹き替えの方が細かいニュアンスが分かって良いと思います。(英語の分かる人なら別ですが)

人種差別を超えた友情の物語

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【書き忘れていた事】

シドニー・ポワチエの吹き替え声優さんは、田中信夫さんでした。通称「たのぶー」なんて言っていましたが、私が勤めていた編集会社の社長とは大学時代の友達でした。ちょいちょい遊びに来ていらしていたのですが、いつも、上下グレーの作業服でいらしていて、最初は「取引先の印刷会社の社長」か何かと思っていましたが、社長と雑談する声が「渋い」。
なんか聞いた声だなぁ…って思っていたら、声優・俳優の田中信夫さん。
「えっ? あの、ビッグ・モローの?」
「そっ」
シドニー・ポワチエの?」
「そっ」
ロボコップクラレンス・ボデッカーの?」
「そっ」
北の国からの?」
「それは、田中邦衛さん」
という程に、驚いたものです。
田中信夫さんは、大変気さくな方で、確か、趣味か本業か、落語もやってらっしゃいました。
ノドヌールのCMでは、ご本人が出演からナレーションもやっておられましたが、本当、良い人でしたね。