【麒麟を見た】
私が幼稚園児の頃だったと思いますが、父が晩酌に飲んでいたビールがキリンビールでした。キリンというのにラベルの絵柄は、動物園のキリンとは似つかない。父に、その事を聞くと「平和が訪れるとき現れる神獣で、動物園のキリンとは違う」と教えてくれました。それから数日、頭の中は麒麟で一杯になった私ですが、そんなある日の夕方、峠の彼方から、走ってくる麒麟を見てしまいました「となりのトトロ」に出てくる猫バスが、田畑の空を走り抜けてゆく様子を思い合わせていただければ、その時のイメージがお分かり頂けると思います。峠の向こうから猛スピードで疾走してくる麒麟は、私の前を風を巻いて走り過ぎたものです。まあ、しかし、これは幼児期の幻覚だと思いますけどね。
となりのトトロも、所詮、児童二人の白昼夢…なんて言ったら、ファンの方に怒られますね。ごめんなさい。
【では、どうして動物園のキリンはキリンと呼ばれるようになったのか】
キリンを見たことが無い人に、その特徴を伝えようとした時。
「ほな、一緒に考えてあげるから、その動物の特徴言うて見て」
「尻尾が牛で、身体が馬、たてがみがあって、頭には角がありはんねん」
「その特徴は、麒麟よ！ 麒麟に決まりよぉ」
つー、みたいな、感じで決まったそうです。
ま、一説ですけどね。口伝による誤解で、動物園などに居るキリンはキリンとなったそうです。
でも、この時、首の長さは印象に残んなかったんですかね。
「けどな。オカン言うには首も長いって、いいよんねん」
「その特徴は、麒麟とちがうかぁ…」
ってなったかも？
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