世界的には珍しい日本の城 #日本の城 #安土城 #姫路城

世界的には珍しい日本の城

安土城天主跡。普通は「天守」ですが安土城だけは「天主」と書きます。

【ザックリ日本の城】
第35回で、明智光秀は遂に城持ちになりました。
「お城」というと、私たち日本人は、日本のお城に馴染んでいるので、なんとなく、
「お城とは、ああいう物」
と思いがちなんですが、日本の城は、世界的に見て、かなり特異な構造になっています。
一般に、世界の城とは「城壁」によって、守られています。もちろん、日本の城も城壁で守りはしますが、極端な話、海外の城は城壁だけで守り、敵に、城壁を越えられてしまえば、その城は落ちたも同然になります。
しかし、日本の城の構造はかなり違っていて「敵を城内に引き入れて潰す」という仕組みになっています。
有名な仕掛けとしては「隘路構造」城の入り口では横列五人で走れたのに、角を曲がると四人。また次の角を曲がると三人に減るという仕組みで、先頭集団を団子状にしてしまう仕掛けです。先頭が団子状になった事を知らない、後続部隊はどんどん進んできて、軍団全体がにっちもさっちも行かなくなる。そこを上から、鉄砲や弓で潰して行く方法。
「桝形」構造のクランクを作り、そこに人が溜まりやすくする方法などもあります。
戦国以前の山城などにも、隘路を利用した構造は観られますが、おそらく戦国期に大きく発展したのではないでしょうか。
この日本の城の構造に衝撃を受けたのが、戦後進駐してきた米国軍でした。(これは本当)
後に、ベトナム戦争等で、野営陣地に、爆弾を背負った敵兵が、盛り土の壁を越えて突入して来る事に手を焼いた米軍は、陣地の進入路を、日本の城の構造を模した形にしたと聞きます。(これは伝聞)
【良い城には、必ず一つ隙がある by島田勘兵衛】
「あそこを落とせば、この城は落とせる」日本の城には、必ず一か所隙があります。
(ま、必ず…ではないかも知れませんが)
稲葉山城(金華山城)における「墨俣」、大坂城における「真田丸」がそれで、稲葉山城も、秀吉が墨俣にプレハブ式の一夜城を築くまで、柴田勝家丹羽長秀など織田・最強軍団が墨俣に殺到して大敗していますし、大坂城も「冬の陣」では、徳川勢が「真田丸」に殺到し、大敗しました。
稲葉山、大阪、共に、別の理由で陥落していますが、この「隙に敵を集める」という発想も、日本の城の特徴のひとつと言ってよいでしょう。
【一か所隙を作る戦術は、野戦では世界的によく使われていた】
世界最高峰の戦術家、カルタゴハンニバルも、その戦いの中で完全包囲より、一か所隙を作ると言う戦術をよく用いていました。
敵を完全に包囲すると、死に物狂いになって、逆に戦闘力が上がる事が多かったようで、思わぬ反撃で包囲側が負けるという事もあったようです。で、心理的に「あそこを突破すれば逃げられる」という隙を作り、そこに敵兵を集める方法を取っていた様です。日本の城は、その心理を籠城する側も利用していたんですね。
【日本の城は研究してみると面白い】
大変、ザックリですが、日本の城について書いてみました。日本の城に関する本は「新人物往来社」等が面白い本を沢山出していますが、基礎といいますか、お城研究で読み始めるのなら、この二冊がお薦めです。特に「戦う城の科学の方は」一つの項目が、大体見開き二ページで説明されていて、簡素ながらかなり明確な解説がなされています。


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