友達がアルバイトしていたコンビニでの話 #コンビニ #万引き

友達がアルバイトしていたコンビニでの話

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イラストはイメージです

私が関西に住んでいた学生時代、大阪の枚方だったか茨木か、そこに実家のある友人から聞いたお話です。
(茨木=茨城県と同じくイバラキと読みますが、大阪の人達はイバラギ、と言う人が多かったですね)
当時彼は、個人経営のコンビニでバイトをしていました。(多分フランチャイズ)
彼がいつものように仕事をしていると、お客の一人が、寄ってきて、
「ちょっと、兄ィちゃん、今出て行ったオッサンやけどな、ダルマ(※1)の小瓶、パチっ(※2)て行きよったで」
と教えてくれたそうです。
お客が指さす方を見ると、コンビニのウインドウ越しに、サラリーマン風の中年男が去って行くのが見え、友人は慌てて後を追い、
「スミマセン、レジ通してない商品お持ちですよね」
と言うと、男は開口一発、
「見逃せ」
と言ったそうです。
「はあ?」
「見逃せ言うてんのや」
「そう言う訳には行きませんよ」
呆気にとられながらも、友人は毅然と返したそうですが、サラリーマン風の男は、
「はあー…」
大きくため息をつき、
「あのなあ、兄ぃちゃん。良う聞きや…ワシには、家族がおる。社会的立場もある。会社に知られたら、どないすんねん! 家族が路頭に迷うんやぞ! お前、その責任取れるんか? おうっ?」
責任はお前自身にあるやろ…
という所ですが、なんか友人を諭すように開き直ったそうです。
「あっ? な、な、何言うてんねん? オッサン」
余りの勝手さに、友人もキレたのですが、
「どないしてん?」
店長も駆けつけてきて、兎に角事務室へ来て貰うことになったそうです。
事務所に連れて行かれたからか、取り調べが、若造から、中年の店長に代わったからか、男の態度は一変し、
「堪忍しておくんなはれ、出来心でしてん…わたいも、家族いてまんねん…」
と泣き落としに掛かる始末。
(「わたい」という一人称は、当時でも使う人はもう少なかったです)
結局、泣き付かれて店長さんは、
「代金払ろうてくれたら、そんでエエわ」
で済ませ警察は呼ばなかったそうですが、魔が差したのではなくて、多分、この男の手癖なんでしょうね。
田舎出の私は、なんか、都会って凄い、と思わされたエピソードのひとつでした。
余談ですが、関西、特に大阪って、感覚的に世界標準だといつも思います。
勿論、全ではありませんが、自分に非があっても、先ずは相手を責めるとか、服装も流行より、自分が気に入ったから着るとか、まあ、これは、オカン(オバハン)に多いんですけどね。
マクドナルドも「マック」ではなく「マクド」と言いますが、マック・ドナルドだから世界的には「マクド」の方が使われているそうです。
※1ダルマ=サントリー・オールド・ウイスキーの愛称。ボトルがダルマに似ている。
※2パチル=当時の関西で使われていた「盗む」「くすねる」のスラング
関東の「ガメル」とほぼ同じ意味…というか同じ意味だと思います。
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