大河ドラマ「青天を衝け」第八回を観終わって
【やっぱりチャンバラではいけません】
あそこまで行くと剣術への冒涜である
女子を取り合っての、道場での試合ですが、テレビ上の演出とは言え、余りにも「酷い」。
あんな、下手くそな剣術見た事ありません。まるで、子供のチャンバラ。
現代剣道のような優美さもなかったのは残念です。
先ず、袋竹刀をガンガンぶつけ合う事に、意味がありません。
栄一は、既に、躱している喜作の「突き」をわざわざ上から叩いていました。袋竹刀を叩いてないで、そのまま、伸びきった相手の身体を「逆袈裟」に斬りつけていれば、栄一の勝ちです。
その前に、喜作の「拝み撃ち」を、栄一は両手に渡した袋竹刀を使って、相手の胸元を事実上、横一文字に斬りつけています。(さらにその前に、喜作に突きを入れられていますが、有効かどうかは、映像上では疑問な所です)
にも関わらず、野球のスイングの様な、大振りな相打ちで、栄一の従兄は「喜作の勝ち」を宣言しています。しかも「二人とも腕を上げたのう」とは、片腹痛い。
【田舎剣法を舐めるな】
文久年間。京洛の不逞浪士を震え上がらせた新撰組。その中心的流派は言わずと知れた「天然理心流」でした。かの流派は「田舎剣法」と嗤われましたが、実に理に適った剣術で、やみくもに刀をぶつけ合うような、下品な打ち合いをする訳ではありませんでした。
ドラマ中の剣術を見る限り、あれは、素人剣術とした言いようがありませんね。
幾ら、剣術ドラマでは無い。とは言え実に残念な仕上がりでした。
【「嫁」の意味が違う】
栄一が、「千代を俺の嫁に欲しい」と言いますが、「嫁」とは息子の妻を意味しますので、「俺の嫁」では、現代張りに、使い方を間違っています。
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【まるでガチャポン】
井伊大老(直弼)は、自身が四男だったことから、出世も結婚も望めず、芸術を愛する文化人として、生きようとしていた事は、別のブログ記事で述べましたが、「茶歌ポン」と呼ばれていたのは、知りませんでした。まるで、「ガチャポン」ですね。
井伊直弼役に岸谷五朗さんというのは、なかなか、はまり役かも? ここから「安政の大獄」が始まるんですね。
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【井伊の赤備え】
彦根(滋賀県)井伊家の祖、井伊直政は関ヶ原で一番槍を付けた武将ですが、家康から「まん千代」の愛称で可愛がられた、寵童でした。
直政を可愛がっていた家康は、武田家の滅んだあと、その遺臣を大量に召し抱えましたが、武勇名高い「武田の赤備え」をそのまま、井伊直政に付けたという事です。
徳川家で本当の兵とは、ゲームでもしばしば、戦闘力100として扱われる「本多忠勝」でした。
本多忠勝の大多喜城(千葉県)に行ってみたいです。
【袋竹刀】
戦国時代の剣聖・新陰流の祖・上泉信綱の考案した竹刀で、革製の袋の中に、笹羅(細かくした竹の束)を詰めた竹刀の事。
幕末の北辰一刀流・千葉周作の発明した現代の竹刀とは違い、撃たれても、それ程痛くない。
袋竹刀は、現代竹刀よりも遥かに柔らかいので、相手を斬る感覚を得やすい。
因みに、現代剣道の「面」「籠手」「胴」「ヒタレ」等も、千葉周作の発明と言われています。
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