温泉河豚 #河豚 #テトロドトキシン #ふぐ毒

温泉河豚

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夕方の短い特集番組で、山間の温泉地で養殖している「河豚」の特集をしていました。
温水を河豚の適温にし、合成飼料で飼育しているトラフグ。合成飼料なので、当然、毒を持たない河豚に育ってゆきます。

一応、念のため

ご存じの方も多いとは思いますが、河豚が毒を持つのは、その生活環境によります。
泥地等に棲む、ゴガイやイソメ、特定の貝類を主食にしている河豚は、体内に「テトロドトキシン」という猛毒を蓄積してゆきますが、天然物でも、環境によっては毒を持っていない個体も居ます。ですから、人工飼育下で、「テトロドトキシン」を含まない餌を与えれば、一切毒を持たない河豚が育ちます。

当たると死ぬから「テッポウ」と呼ばれる

河豚の別名が「テッポウ」。
「鉄砲」から来ているわけですが、当たらなければ死なない。当たれば死ぬ。という比喩から来ています。
河豚も、当たるとは限らなかったので、昔は、半ば、命を賭ける博打のように食されていました。

縄文人も河豚を食べていた

所謂、縄文遺跡の貝塚から、河豚の骨も沢山発見されていて、縄文人も河豚は食べていたようです。
しかし、当時だって、河豚に当たる人は居たでしょう。死ぬ人が出たりしても、食べたいくらい、河豚って美味しかったんでしょうね。もう、ひとつには、河豚は釣りやすいという事もあったと思います。

河豚で思い出すこと

子供のころ、近所のおじさんが、大きな天然のトラフグを釣ったか、捕まえたかした事があって、私の父や他のご近所のおじさんたちを捕まえて、執拗に「食べよう」と進めていたことを覚えています。
随分大きなトラフグに見えましたが、子供の目線だったから、実際の大きさよりも大きく見えていただけかもしれません。
父をはじめ、他のおじさんたちは口をそろえて「やめとけ、やめとけ、河豚は当たったら死ぬんで」と言っても、「肝が旨んいじゃ」トラフグおじさんは、話をグイグイ進めてゆきます。
「肝が一番危ないんで」
そういっても、
「いや、水道で洗いながら、血管全部取ったら大丈夫じゃけん」
トラフグおじさんは、懸命に説得していましたが、結局、誰からも賛同を得られず。
一人、「旨いのにのぅ」と、ぶつぶつ言いながら帰って行った。様に記憶しています。

そして翌日

「○○さんがトラフグおじさん、河豚にあたって死んだらしい」
という話が、町中に流れました。
みんなから断られた後、自宅にトラフグを持ち帰ったおじさんは、家族にも「河豚食べよう」と持ち掛けたらしく、しかし、家族からも賛同を得られず、一人で、河豚をさばいて食べてしまったようでした。深夜に、手足の痺れを家族に訴え、そのうち呂律も回らなくなり、亡くなったと聞きました。
「人の忠告、聞かんのじゃけぇ」
大人たちが、口々に言っていたのをなんとなく覚えています。

関東の海にも河豚

もともと、西日本方面の海に生息していた河豚ですが、最近では関東、東京湾沖辺りにも生息しているようです。
文化な人々は、直ぐに「地球温暖化」に結びつけますが、事はそう単純でもありません。
四十年ほど前、関東でも野生河豚を育てようと考え。生態系を守るために、河豚の「メス」だけを放流した事が始まりなんだそうです。すると、メスだけのはずだった河豚の中から、オスに性転換した個体が現れ自然繁殖してしまいました。
ジュラシック・パークそのものですね。メスだけの恐竜が性転換してオスになり、種を増やしてゆく。「種は広がる為なら、どんな垣根も超えてゆく」という、まさに、その通りの事が起きたわけですね。

テトロドトキシン

昔から、よく言われていますが、青酸カリの500~1000倍の毒性を持っていると言われています。
人間を殺せる量は、2~3ミリグラム程度。熱に強いので、一般家庭などの加熱調理程度では、毒性を壊せません。フグ科以外にも、ツムギハゼ、ヒトデ、ヒョウモンダコスベスベマンジュウガニ、バイガイ、等にも蓄積されていて、陸生の両生類であるイモリやカエルなどからも発見されているそうです。ですから、イモリの黒焼きなんて食べない方が良いんでしょうね。まあ、食べる人は少ないでしょうけど。
どうやら、主に泥地に棲む細菌の幾つかが、テトロドトキシンの産生をする様で、これらの細菌が、小型の巻貝やゴカイ類などに取り込まれ、それを河豚がを食べることにより毒を蓄積するようです。
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