【小学生 理科】台風と温帯低気圧 #台風 #温帯低気圧

【小学生 理科】台風と温帯低気圧

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「台風」14号は九州から関東方面にかけて、日本列島を横断する形で通り過ぎて行き、静岡辺りから「温帯低気圧」になりました。
台風から温帯低気圧に変わると、勢力も弱まって、なんか、一安心って感じですね。

しかし、台風と温帯低気圧は別物だったりして

残念ながら「台風」の勢力が弱くなったものが「温帯低気圧」ではありません。
天気予報などで、「台風○号は、日本海海上に抜け、まもなく温帯低圧に変わりそうです」なんて聞くと、「勢力が弱まって来た」という印象を持ちがちなんですが、勢力が弱くなったから「温帯低気圧」になる訳ではありません。

そもそも「台風と温帯低気圧」では、その仕組みが違う
台風の仕組み

ざっくりと言えば、熱帯地方(赤道直下では台風は起きない)の海水温の上昇で、広範囲の水蒸気が成層圏(高度一万メートル以上)にまで回転しながら上昇。水蒸気は高高度で凝結します。この熱エネルギーの上昇で発生するのが「台風」です。
大気の上昇による大風なので、台風の中心部に近い程、風の力も強いのが特徴です。そして、海水温の髙い海域を、エネルギーを充填するように移動し、基本、高気圧の縁を移動してゆきます。

温帯低気圧の仕組み

北の寒気と、南の湿った暖気が混ざり合おうとする勢いで、発生すのが「温帯低気圧」です。北と南の空気の境目に当たる温帯地域で発生しやすいので、温帯低気圧と呼ばれるのですが、台風と違って、強風が広範囲にわたり、低気圧の端の方であっても強風である事が特徴です。(温帯低気圧は前線を伴う)

台風が熱帯低気圧に変わる時

天気予報を聞いていると、どうしても、台風の成れの果てが、温帯低気圧の様な印象になりますが、何故、台風が温帯低気圧に変わるのでしょう。
前述のとおり、台風は、温かい海の上を、エネルギーを充填するようにして移動してきますが、北に向かったり、上陸すると、エネルギーの充填が出来ず、勢力を弱めてゆきます。
弱めてゆきますが、湿った暖かい空気である事には変わり有りません。
そこに、秋口の北半球からの冷たい、乾いた空気との接触で、空気の激しい混ざり合いが起こり「温帯低気圧」が発生します。
これが、「台風は温帯低気圧に変わりました」の正体です。湿った空気との混ざり合いなので、風だけでなく雨も激しくなる事が大半です。

温帯低気圧は台風より弱いとは限らない

「台風より弱い」印象の温帯低気圧ですが、実際は、温帯低気圧になった事で勢いを増してしまう事が多く、むしろ多いという現実があります。
最近、ある、ユニークな気象予報士が、「台風から温帯低気圧に変わるという事は、ライオンがトラに変わったと思ってください」とコメントされていましたが、「言い得て妙」だと思いました。
トラとライオン。ベンガルトラを基準に考えると、どちらが強いのかは、その時、その時、でしょうけど、人間にとって恐ろしい存在には変わりません。「台風」と「温帯低気圧」も、それと同じという事で、「温帯低気圧だから一安心」というわけではありません。むしろ、脅威が増したという事の方が多いのです。

爆弾低気圧」も温帯低気圧の仲間

冬、北海道等で発生する「爆弾低気圧」。風速も数十メートルに達し、猛吹雪となりますが、あれも、寒暖空気が混ざり合おうとする「温帯低気圧」の一種です。

【余談】温帯低気圧で思い出す、悲しい事故(事件)
1990年代末。台風から変化した温帯低気圧が接近している中、関東のK県で乳幼児を含む、男女十数人が、川の中州に取り残され、乳幼児と二人ほどが助かった他は全滅。という、痛ましい事故がありました。
川の中州でテントを張っていた事自体、「キャンプの素人」、或いは「それ以下」と言われても仕方ないと思われますが、彼らは、アウトドアの経験数だけは多かったようです。
しかも、上流にはダムがあり、「温帯低気圧」が接近し、増水する恐れがある事を、ダムを管理する職員が伝えに来ても、「何年もここでキャンプして慣れているんだ」と恫喝して追い返す始末。
低気圧はどんどん近づいてきて、風雨量も増す。ダムも決壊の恐れがあり、放水しなければならない。職員は消防署員を伴って、再び避難勧告に向かいますが、再び恫喝されます。
いよいよ中州に渡れるのも最後の時、警察官を伴って、避難勧告に向かうものの、今度は完全無視。職員の指示に従ったのは、グループ内の父子の二人連れだけでした。
そして、中州そのものが濁流にのまれ始め、テレビ映像では、濁流のなかに佇む十数人の男女が映し出されていました。内、一人の男性が、頭の上で指を回し、「ヘリでの救出」を指示していましたが、こういう所も、温帯低気圧を台風の弱体と見ている甘さがあると思います。
実際には、強すぎる風雨でヘリコプターが飛ばせる状況ではありませんした。
私は、この時のリーダーに腹が立って仕方ありません。リーダーは居なかったのかも知れませんが、「川の中州にテントを張る」という愚行が許せません。
これは、事故というより人為的事件だと、今も思っています。
事件後、「死人に鞭打てない」と思ったのか、報道陣はダムの放水路を開いた職員を攻撃。
下流に人がいる事は分かっていましたよね」
と言われていました。しかし、放水しなければ、ダムは決壊し、もっと大惨事になっていた可能性は高いでしょう。私は、悪いのは、避難指示に従わなかった彼等だと思っています。
あれから、二十年余り経ちますが、事件現場は死んだ十数人の霊魂が、無念の余り彷徨っている。という心霊スポットになっているそうです。私も、日本人なので、死人に酷い事は言いたくはありません。しかし、本当に彷徨っているとしたら「図々しい連中だ」と思います。それ程に腹の立った事件でした。
まあ…少しだけ緩く見てあげれば、中には、避難勧告に従いたくても、グループ内の「圧」に負けて、出来なかった人も居たかも知れませんねぇ。
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