水の中「メダカの話」

私は、趣味のひとつで、アクアリウムもしております。
大昔は、ディスカスだとか、カージナルテトラだとか、なかなか難しい熱帯魚も飼っておりましたが、今では、飼育の簡単な、メダカとミナミヌマエビだけにしております。
どちらも、日本の在来種なので、繁殖も楽です。
メダカに関しては、自分で自分の卵を食べてしまうので、繁殖させるなら産卵毎に採卵してやらないといけませんが、ミナミヌマエビに関しては雄雌居れば自然に増えてゆきます。
ただし、どちらも、それなりにスペースが必要です。あまり小さすぎる水槽ではいけません。
メダカが一匹死んでいた
世代を繋いだメダカの中に、一匹、ハンデを背負った個体がおりました。
多分、浮袋が無いのでしょう。お腹がぺったんこで、水中で静止する事が出来ません。
ジッとしていると沈んでしまうらしく、絶えず、水面に向かって泳いでいました。
「このままじゃ、疲れ切って死ぬだろう」
と思っていたのですが、どうしてやることも出来ません。
しかし、それでも、稚魚から成長を続け、成魚となって抱卵までしていました。
なんとなく、目を掛けていた個体でしたが、ある朝、餌を与えに行くと亡くなっていて、エビたちが集まって葬儀をしていました。
彼女は「鮪」でも「鰹」でもないのに、泳ぎ続けなければならない生涯を送りました。
人工飼育下で
メダカは温かくなると、毎日の様に産卵いしたします。
ですから、毎回採卵していると際限が無くなります。沢山卵を産むので、繁殖させていると、ハンデを持った個体は結構生まれます。
例えば「だるまメダカ」野生メダカに比べて、長さの短いメダカで、コロコロとした姿が愛らしいので、飼育メダカの中でも人気ですが、気温が30度を超えた時の受精卵から生まれると言われます。確かに、暑気の厳しい時には、結構生まれますね。
敏捷に泳げないので、自然界では生き残れません。その意味では、ヒレの長い鮒「金魚」と同じです。
メダカを飼うなら
ミナミヌマエビと一緒に飼いましょう。
ミナミヌマエビは水槽内の掃除をしてくれますし、採卵した卵水槽に一緒に入れておくと、卵をクルクル回しながら綺麗にしてくれるので、卵の孵化率が上がります。
ミナミヌマエビは、生餌は食べません(何かしら食べているかも知れませんが)ので、メダカの稚魚も襲ったりしませんから、メダカ飼育のパートナーとしてはナイスな存在です。
ヤマトヌマエビ
ミナミヌマエビの近種にヤマトヌマエビが居ます。名前に「ヤマト」が付くだけに、日本の在来種ですが、こちらは水槽内では繁殖出来ません。自然界のヤマトヌマエビは、繁殖の為に河口付近の汽水域に移動しなければならず、淡水のみの水槽内では繁殖ができません。
注意
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビを混泳させてはいけません。ミナミヌマエビがヤマトヌマエビと交尾しようとして、死なせてしまうのだそうです。
熱帯魚より強いメダカ
メダカは、日本を含む、アジア全般に生息していて、日本のメダカをヨーロッパに紹介したのは、かの、シーボルトだったそうです。
メダカは日本で最小の魚類(世界的にも極小の部類)ですが、低温、高温に強く、汽水域でも生きて行けます。
特に高温に関しては、三十数度でも生きて行けます。
一般に言う熱帯魚は、二十六度程度が適温で、三十度を超えても平気なのはディスカス位です。まあ、熱帯魚でも、三十度を超えて平気な種類は、ほぼほぼ居ません。その意味でも、夏場、水槽が高温になってもメダカは元気です。