ある館内清掃員さんから聞いたお話

私の住むマンションには、管理人さんとは別に館内清掃員さんがいらっしゃいます。
朝八時から正午までの四時間ばかり、いらっしゃるようですが、朝、七時台に出かけて行く私は、今まで会った事はありませんでした。
それが、ひょんなことから少しお話する機会があって、こんなお話をされました。
「ちょっと前まで、他所のマンションの清掃をやってたんですけどね…」
話し出す清掃員さん。
ある日、会社から、
「なんか、セクハラやってないか?」
という電話が掛かって来たそうです。
「どういう事なんでしょうか?」
訊き返す清掃員さん。
女性と接触する様な仕事でも無いし、身に覚えも無かったのですが、
なんでも、居住者の女性(推定三十代)から、
「毎朝ではないんですが、かなりの確率で、私が出掛ける時間に、清掃の方がウチの玄関先を掃除している」
と通報されたそうです。
つまり、その女性は、
「この人…ひょっとして…私が目当て…」
と言いたい様なんですけど、清掃員さん的には、そんな気はサラサラない。
毎朝、大体、決まった時間に、決まったルートで、清掃業務を始めるので、必然的に「毎朝決まった時間に出掛けられる人」とは、すれ違い易くなっているだけの事です。
まあ、ありますよね。毎朝の通勤で顔を合わせる程度の、顔見知り。
結論的には、コレなわけです。
しかし、会社は、
「清掃ルートを変えて貰えないかな?」
と言ってくる。
それって、なんか、セクハラ認めたみたいだし、かと言って頑なにルーティーンを固持していると、女性に執着していると思われかねない。
そう思った、清掃員さんは、
「だったら、もう、勤務先を変えて下さい」
という事で、我がマンションにやって来たそうです。
「なんだかね…オジサン、というだけで、セクハラみたいな風潮って良くないですね」
私も聞いていて、なんとも理不尽に感じました。
まあ、我が社でも、過去、巡回先で小さな女の子を連れたママさんに、
「可愛らしいお嬢ちゃんですね」
と言っただけなのに、
「娘が変な眼で観られてるんじゃないか?」
と会社に通報された事例があるらしいです。
なんだか、「この国では、オジサンの人権は認められて無いなぁ」そんな、気持ちにさせらたお話でした。
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