軍鶏と鷹ノ子 江戸川のキジ #キジ #軍鶏 #鷹

軍鶏と鷹ノ子

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江戸川をサイクリングしていると、色んな動物を見かけます。

タヌキやイタチの仲間も、チラッと見かける事もありますが、中々にお目に掛かれません。
大抵は、チョウゲンボウとかの鳥類。腰を据えれば、もっと色々な動物が観られるんでしょうけど、私は、スナイパーのようにじっとしていられない性格なので、ちょっとむりかも知れません。

江戸川のキジ

江戸川で一番見られる鳥としたら、ムクドリなんかの類でしょうけど、キジも良く見かけます。ご親切に「ケーンケーン」とけたたましく鳴いてくれるので、探す手間もいりません。
結構な数が土手を歩いている時もありますし、サイクリングロードから近い場所をのしのし歩いている事も珍しくありません。

キジと言えば

良く動物番組なんかで、視聴者投稿動画がありますけど、その中で野生のキジとかヤマドリの動画が面白いですね。
ある、農家のおじさん
畑に通う道で、野生のキジに懐かれているという動画を投稿してきます。
いつもキジが出没するという、雑木林の入口で「ホーウ、ホーウ」と声を上げると、雑木林から両肩を怒らせて、キジが走って来る(♂)。目が血走っていて、どう見てもケンカ腰。
キジはおじさんめがけて飛び蹴りを連発しますが、「このように、全く恐れないんですよ~」とうれしそう。恐れない=懐いている訳ではない。狼だって鹿に懐いているから、襲っている訳ではないですね。
おやつに持ってきたミミズかなんかを与えると、せわしなく食べるキジですが、食べ終わると、おじさんの手を「カカカカカッ」とつつく。そして飛び蹴りの連続技。
「痛い痛い」と言いながら「ほら良く懐いているでしょう」、手を傷だらけにしながら、言い張るおじさん。「彼は、ちょっと乱暴者だけど、私たちは仲が良いんですよ」と言いたげ…
番組の専門家に意見を求めると、「これは、明らかに攻撃されていますね。敵だと思われています。ミミズを食べたのも、食べる事で、自分の優位性を示しているだけですね。懐いている訳ではありません」
わざわざ専門家に聞かなくても、見りゃあ、分かります。
キジ科の鳥は縄張り意識が強いので、いつも通りかかる人間が居たりすると、敵だと思って、攻撃して来るんだそうです。

軍鶏と鷹ノ子

子供のころ、「F田」さんというお宅が近所にありました。まあ、今も有るんですけど…カンツキドウと呼ばれる三叉路があって、そこに建っていた黒い鐘楼の下にお宅はありました。
鐘楼には、昔は鐘がぶら下がっていたそうです。
戦争中の金属供出で鐘は外され、私の子供のころは、鐘の代わりに手動のサイレンが括りつけられていたものです。「鐘を撞くお堂」だから、「鐘撞堂」=「カンツキドウ」な訳ですね。
このカンツキドウ。小学生の集団登校の待ち合わせ場所でもありました。
学校からの帰り道、この三叉路の右を行っても、左を通っても、F田家の横を通る事になりますが、当時、F田の庭には、狂暴な軍鶏が放し飼いにされていて、小学校低学年の私達には、大変な脅威でした。

軍鶏シャモ

いくさとりと書くだけあって、狂暴です。かつては、世界各国で「闘鶏」として戦わせ、賭けの対象にもなっていました。
戦うのは主に♂ですが、どちらかが死ぬまで戦い続けます。
その猛鳥が、何時も決まった時間に通りかかる子供たちを敵だと思って、植垣を飛び越えて襲って来ていました。三叉路のお宅だったので、右を行くも地獄、左を行くも地獄。
かなり大回りをすれば、避けられる道もありましたが、それは指定された通学路から外れるので、素直な小学低学年には出来ない事でした。
「F田のオジサンも、下校時間位、鶏を囲ってくれれば良いのに」
大人になった今も思います。それほど、植垣を飛び越えて襲って来る軍鶏は恐かったものです。
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鷹ノ子

そんなある日、神社で遊んでいると、友達の一人が「F田のおじさんが鷹の子を捕まえてきたらしい」という情報を仕入れてきます。
「鷹のヒナ」
観てみたい。と思いましたが、F田家にはあの狂暴な軍鶏が居る。
「河豚は食いたし命は惜しし…」どうしようか考えた挙句。コソッと覗いて、軍鶏が追いかけてきたら、全力で逃げる作戦を取る事にしました。
皆で、F田家の垣根の脇からそっと覗いてみると、縁側に藁を円形に巻いた巣(?)の中に、白いフワフワした毛に包まれた、目つきの鋭い、ゴルゴ13の幼少期の様な顔をした、鷹のヒナが座っています。
「あっ、ホンマに鷹の子じゃ」
と思う間もなく、庭の向こう端、鶏舎とりごやの前に居た軍鶏が、私達を見つけて猛ダッシュして来る。
逃げようとしましたが、どうした事か、軍鶏は、鷹のヒナの前を通り過ぎようとして、まるで、エンストするみたいに「ストトトトッ…」と腰砕けになって、その場にうずくまってしまいました。
そして、眠そうな目になって、信じられない位に細く成って行きます。
ヒナとはいえ、猛禽。あの狂暴極まりない軍鶏がうずくまるとは凄いものです。
それから、軍鶏は鶏舎に入ったまま出て来なくなって、学校の帰り道は平和になりましたが、それも数日続いただけ、人工飼育がストレスだったのか、鷹の子は死んでしまって、また、軍鶏の天下が訪れます。
あれから何十年も経ち、カンツキドウも不要になって、取り壊されてしまいましたが、つらつら思うに「あれは、本当に鷹のヒナだったんだろうか?」と疑っています。
根拠はありません。F田のおじさんは、子供ら相手に、鳶のヒナを「鷹の子じゃ」と喧伝したように思います。
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