忍者が村にやって来た #忍者 #手裏剣

忍者が村にやって来た

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忍者が我が村にやってきた時の話

私が、本当に子供の頃。村の神社に、忍者のお兄さんがやってきたことがありました。
忍者のお兄さんは、こげ茶色の上下に、地下足袋、同色の目出し帽?…というか、腹巻のようなマフラーを被って居ました。髪を後ろで束ねていた様に思いますが、テレビで見る、タッツケ袴を履いた黒装束の忍者とは、かなり趣は違ってます。純朴な村の子供たちは、その辺りは都合よく解釈してあげていたのでしょう。「こういう忍者も居る」程度に思っていました。
忍者は、バク転したり、前方宙返りして見せたり、太い御神木の幹を数メートルも駆け上って見せたり…実際はもっと低かったのかも知れませんが、幼少の私には随分高いところまで、駆け上がったように見えました。神社の灯篭の先端まで、フワフワッと駆け上って、そこからトンボ返りで降りてきた時は、「あんたぁ、罰が当たるで」と神社前の雑貨屋のおばあさんに叱られて、謝っていましたけど。とにかく、忍者のお兄さんは技の数々を披露してくれました。
手裏剣(車剣)を戸板に投げつける所は、ちょっとカッコよかった様に記憶してます。
持っている手裏剣も、私たちが作る空き缶の蓋を、トタン鋏で切ったような薄っぺらいものではなく、鉛色した厚手の板でつくられたものでした。
「ホンモンは違うのう」
ホレボレと見ていました。
そして、忍者のメインイベント「石割」が始まります。
黒というか、こげ茶の石を取り出すと、パンパン手刀や指先で斬る様にして割って行きます。
やんや、やんや、村の子供の賞賛。
私より少し年上の子が、何気なくその黒い石の欠片を手にした時、忍者のお兄さんの目が動揺したのを私は見逃して居ません。
その子が、手刀を振ると、石は簡単に割れてしまいました。
しかし、「忍者は偽物だ」という騒ぎにはならない
何処までも、純朴な村の子供たちは、「僕にも出来た」という、通販のアシスタントの様な事を言い出します。他の子らも、次々と黒い石を手に取って割り始め、もう、収集は付きません。
その後、忍者のお兄さんと、どう別れたかは思い出せませんが、あのお兄さんも何か目的があって、忍者をやっていたのだと思います。
兄達に、「あんときの忍者は何か売ってきた?」と聞いた事がありますが、「いや、別に何も売りつけられんかった」と言います。
でも、忍者がどうやって帰って行ったのかは、両兄も思い出せないそうです。
ひょっとしたら、それこが忍術だったのかも知れませんね。
純朴な村子供としては、そう思ってあげたいと思います。
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