戦神ゴッド・オブ・ウォー #サモ・ハン・キンポー #倉田保昭  #小出恵介

戦神ゴッド・オブ・ウォー

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【あらすじ】

明代の末期。沿岸を荒らしまわる倭寇に手を焼く明。軍を派遣するも、連戦連敗を繰り返す。明は「戚継光」を将軍として派遣。戦術と戦略を変換し倭寇討伐は一定の成果を上げるが、倭寇は河伝いに内部都市に進攻。各所で新体制の裏をかく倭寇倭寇の中に、本職の軍師の存在を確信する将軍。決戦の街で、遂に軍師と正面対決をする。軍師の正体は日本の正規武士松浦党だった。

【私が注目した点】

「映画スピリッツ」「ドラゴン怒りの鉄拳」でも触れましたが、昨今の香港映画および、香港・中国合作映画は、日本が関わる歴史もので、日本の描かれ方が変わってきています。
かつては、日本人は、兎に角、残忍で、ズルく、鉄面皮の恥知らずの様に描かれる事が多かったのですが、最近の香・中映画では、日本の「武士道」への造詣が深くなっています。
「戦神ゴッド・オブ・ウォー」の中でも、松浦党の武士は、無法者の倭寇とは一線を画す、戦士として描かれ、日本刀への理解も描かれています。(実際日本刀は福建・広東辺りに大量に輸出されていました)
ちょっと穿った見方かも知れませんが、これらは、日本人の頭を抑え込む政策から、自尊心をくすぐり、取り込もうとする政策に変換したのか、或いは、香港が日本を味方に考えての事か、と考えてしまう所があります。ひょっとして、ただ純粋に、客観視した結果の演出かも知れませんけど。

【ちょっと驚いたこと】
小出恵介さんが出ておられた事。いや、出演されても全然構わないんですけど、意外な所で出演されていたので驚きました。
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【ほとんど史実に基づいたお話です】

実在した明の将軍と、倭寇を利用し、九州で勢力を伸ばそうとした平戸・松浦党を題材にした、かなり史実に基づいた映画です。

映画では、倭寇が金の扇子をキラキラさせながら攻め込んでくる様子が描かれています。
後の朝鮮出兵で、明が記録した明史・平壌録に日本軍の「胡蝶の陣」という、一文が登場しますが、ひょっとして、この「胡蝶の陣」をイメージしたのかも知れません。
実際の「胡蝶の陣」とは指揮官の扇子の合図で、陣形を変える様子を明の側がそう呼んだそうですが…
日本刀の件で断面 (四方詰め造り) カットとか、焙烙、安宅船当時の日本の鉄砲の保有率の等、意外な所がちゃんと盛り込まれていました。ただ細かい事ですが、戦国の当時は「藩」という言葉は、確実に使われていませんでした。
ラストのアクションシーンがちょっと、くどい感じでしたが、さすが倉田さん、お年を召されてもキレのあるアクションでした。

【鉄砲】

作中で松浦党が鉄砲を用いています。日本への鉄砲伝来は1543年の種子島以前に既に、倭寇の手により東南アジアから日本各所(特に九州)に伝わった。という説が最近では有力視されています。仮に1543年説であっても、1557年の九州であれば、かなりの鉄砲は所有していたとしてもおかしくはありません。ただ「抱え大筒」は、さすかに1557年当時にあったかは何ともいえません。


『戦神 ゴッド・オブ・ウォー』
子育てヒロシ的評価=★★★

キャスト
戚継光:チウ・マンチェク
兪大猷:サモ・ハン
戚継光の妻:レジーナ・ワン
熊澤 :倉田保昭
山川 :小出恵介
西郷 :中村浩二
楊超 :ウー・ユエ
胡宗憲:ワン・バン
陳大成:ティミー・ハン
樓楠 :マイケル・トン
木幡 :木幡竜
寺田 :三元雅芸
野間 :島津健太郎

スタッフ
監督:ゴードン・チャン
脚本:マリア・ウォン、フランキー・タム、ウー・マンチャン
製作:ポール・チェン、ゴードン・チャン
撮影:石坂拓郎
音楽:梅林茂
衣装:ワダ・エミ、ボニー・ウォン

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『戦神 ゴッド・オブ・ウォー』予告編