カッコウの巣の上で…
かなり昔ですが、ジャック・ニコルソン主演の映画タイトルに、ありましたね。
「カッコウの巣の上で…」
とは言いますが、カッコウという鳥は
「託卵」
と言って、ヨシキリや百舌など29種もの鳥の巣に、こっそり卵を産み付けて、育てさせるので「巣」と言う物を持ちません。
映画タイトルの場合は、間違えたと言うより一種の比喩と言いますか、アメリカでの「精神病院」の蔑称らしいのですが、しかし、何故カッコウは自分で育てないんでしょうね?
我が子を他の鳥の巣に捨てるなんて、全く人とは思えません。(人ではなく鳥ですね(^^ゞ)
まあ、調べてみますと、悲しい事実がわかりました。
鳥の体温というものは、人間より高く38度程あるんだそうで、鳥の卵も孵化するためには、この38度という温度が必要なんだそうです。
ですから、人間が自身の体温で温めてみても、先ず孵化する事は無いそうです。
実は、カッコウ…可哀相なことに、体温が他の鳥より低いんだそうですね。
だから、我が子を育てたくても育てられない。
「…僕たち、こんなハンデがあるんです」
「なんか、悪い事きいちゃったな…」
みたいな感じです。
で、仕方なく他の鳥の巣に託卵する訳ですが、カッコウのヒナは、育ての親の愛を独り占めするために、早めに孵化。
他の卵やヒナを巣から突き落とすという、これまた非人道的な事をするわけです。
(だから、鳥だっちゅーに)
こんな事をするモノだから、託卵被害に合う側も、素直に養子にはしたくない。
自分の卵と分かるように、ウズラみたいに、卵に模様をプリント出来るように進化しました。
この進化は、日本国内では1970年頃から見られるようになり、僅か20年程で完了されたそうですが、カッコウもサル者(今度はサルかーい(>.<))同じ模様を作り出せるように、己を進化させました。
いや、凄いですね~。
でも、そんな進化が出来るくらいなら、体温の方を進化させれば良いのにと思ったんですが。
実は、カッコウ。体温がどーこーじゃなくて、本当は、ただ子育てが嫌いなんじゃないですかね(^^ゞ
(托卵行動は、他にもホトトギス等も行います)
カッコーの巣の上で (1975年)
アカデミー賞 主要5部門受賞
ジャック・ニコルソン 、ルイーズ・フレッチャー (出演)
子育てヒロシ的評価=★★★★
(内容的にちょっと辛いので★四つです)
1963年の米国、オレゴン州が舞台。刑務所での強制労働がイヤで精神疾患の詐病を使って、精神病院にやって来る主人公ランドル(ジャック・ニコルソン)。しかし、精神病院の中は刑務所よりメンタル面では過酷で、患者たちの人格は無視されている。融通の利かない婦長に反抗的な主人公ランドルは、電気ショックなどの体罰を受ける。脱走を図り、婦長に追い詰められ自殺した仲間。ランドルは婦長に暴力をふるい、やがてロボミー手術によって廃人にされてしまう。ラストの親友のインディアン(ネイティブ・アメリカ)がランドルを殺害し、脱走するシーンは何とも切ない気持ちになる。当時の精神病院はかなり過酷で、日本でも64年にロボトミー手術を強制的に受けさせらた人物が、人格を奪われたとして16年後に施術した医師を殺害している事件が起きている。
シャイニング、(旧)ジョーカーなど、ちょっとイッちゃてる演技をさせれば、ジャック・ニコルソンの右に出る者は今も居ないでしょう。主演は、元々スティーブ・マックイーンが予定されていたといわれる。制作は俳優よりまだプロデューサー業が主だった頃のマイケル・ダグラス。
※先進国と呼ばれる国々では、もはや前頭葉切截術(ロボトミー手術)は行われなくなったが、唯一アメリカだけが、条件付きではあるものの、ロボトミー手術を現在も行っている。