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日本語生成AIの話

日本は生成AIに力を入れている。という報道がありましたが

「日本語の曖昧さに対応した生成AIを 云々…」
なんて言う方に、はたして日本語対応生成AIを作る事ができるのでしょうか。

昔、どこかの文化な人が、
「日本語は曖昧…」
といった事に何も疑問を持たず、広まった誤解です。しかし、日本語に限らず言語とは、本来曖昧なものです。
先ごろ、大統領選挙に纏わるアメリカ国民へのインタビューの中で「経済は良くなると思う」という回答がありました。
「良くなる」良い経済とは、どういう状態を指すのか? 実に曖昧な言葉ですね。
例えば、年10億円の利益を生み出して、ほとんど独り占め出来る状態を「経済が良くなった」と思う人も居れば、5億円でも、全員に生活できるだけのお金が回る事を「経済が良くなった」と思う人だっているわけです。
具体的に、どのような仕組みを作り、どのように社会にお金が巡るかを言わない限り、「経済は良くなると思う」は曖昧な表現でしかありません。
「良い仕事をした」(good job)も、具体的にどんな働きをして、どのような結果をもたらしたかを言及しない限り、嫌みなのか本当に評価されているのか、曖昧な表現なわけです。
しかし、いちいち細かく表現する作業は大変なので、どこの国の人たちも、「相手も同じ解釈をしているはず」の体で、曖昧な言葉を繋いで会話をしています。
小説や、新聞記事も、よくよく見れば、読み手の解釈次第で変化するような、曖昧な表現で綴られているものです。

日本語が曖昧なのではなく、日本人が曖昧な表現を好むだけである

ある、文化な人が、
「英語では、「あの部屋には窓が二つあります」「There are two windows in that room.」と言うが、日本語ではこういう風には言えないんですね」
なんて、言っておられた事がありました。
「いや、さっき「あの部屋には窓が二つあります」って日本語で言いましたよ…」
つい、テレビにツッコミを入れてしまいました。
その時の文化な人は、英語が話せる事を誇示したかったのか、調子が悪かったのか、随分変な事を言いました。多分調子が悪かったのでしょう。
英語(外国語)だから、ハッキリしているのではなく、外国人、特に欧米では、歴史的に「自己主張はハッキリとしなければならない」という文化が育っただけなんですけどね。
日本語だって「お前は馬鹿だ」なんて、ハッキリいう事は出来ますが、相手を怒らせることを嫌う国民性の為に、遠回しな言い方を好みます。
「必ずやり遂げます」と言っては、確約となるので「善処します」(結果を出すという意味ではなく「適切」に処理いたします。その「適切」も、人によって感じ方はまちまち)という言い方を好むわけです。
「それを含めて、日本語は曖昧と言ったんだ」
と日本語AI開発者に返されそうですが、もし、それを含めたとしたら、それもまた曖昧な言い方のような気がします。
「日本語が曖昧」という偏見と「日本人は曖昧な表現を好む」という違いは、開発に大きな間違いを生みそうな気がします。
しかし、今や「理性」もAIの方が人類より上かも知れません。こうした勘違いも、修正してくれるかもしれませんね。いや、それを願いたいところです。

曖昧な言葉を転がす名人・徳川家康

三河一向一揆の戦っていた頃、家康は「全てを元に戻すから、戦は止めよう」的な言葉で、和解しますが、一向宗の籠る寺を取り壊して更地にしてしまいます。
「ほら、元の通りの野原にしました」という訳です。
一向衆からすれば、「元」とは、家康と争う前の平穏豊かな状態をイメージしていました。
関ヶ原の合戦で、伊達政宗に対しては、「会津上杉景勝を牽制してくれれば、元の領地を与えよう」的な事を言いました。政宗は、今の領地に加えて、会津を含む旧領地(元の領地)、合計で100万石余りが貰えると思いましたが、戦後、家康は「元の領地だから今の領地ね」という感じで、事実上加増されませんでした。(実際は、ちょっと細々した事情もありましたけど)
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