【関西のオッちゃんシリーズ】ぼんちも気ぃ付けや~ #関西 #大阪 #京都 #おっさん #ブランドバッグ

【ホンマでっせお客さん】ぼんちも気ぃ付けや~

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イラストはあくまでイメージです。Dさんは、もうちょっと愛嬌のあるオッちゃんでした

学生時代。夏休みの間だけ、あるデザイン会社でアルバイトをしていたことがあります。
この会社に出入りする人の中に「D」さんという、当時三十代半ばのオッちゃんが居ました。
名前が実に個性的なので、書きたい所なんですが、差し障りが有りますので、頭文字を取ってD氏としておきます。
D氏は一見して
「堅気とはちゃうやろ?」
という身なりなのですが、会社の二代目と幼なじみらしく、ちょいちょい遊びにきます。
気の良い、冗談ばかり言うオッちゃんで、会社のお姉さん方にも受けが大変よろしい。
私も「面白いおっちゃんだ」と思っておりました。
生業はやはり、ちょっといかがわしい様で、ある時会社のお姉さん達に、
「自分ら…○○のバッグ…欲しない?」
と持ちかけておりました。
○○はヨーロッパの有名ブランドで、私でさえ知っている高級品です。
「今やったら、格安で手に入んねん」
言葉巧みに注文を取り付け、売りつけたのですが、どうやら偽物だったらしく、何日か経って。
「ちょっと雨に濡れただけで、バッグが歪んだ」
「色落ちがする」
「ハンドルがもげた」
等の苦情が殺到。
しかしD氏は、
「ボクもなぁ、騙されたんや~ ボクかて被害者やねんで~ 世の中悪いヤツが居てるもんやなぁ」
と、煙に巻く始末。

このD氏、短期間に二度も新聞に載りました。一度目は、大阪の八尾市を歩いていた時に(何しに歩いてたのやら)、刃物を持った男が老人を襲っている所に出くわし、止めに入り、突っかかってくる強盗を素手でのして載りました。喧嘩が強かったんですね。

二度目は、京都の四条通にある某有名ブランド店でいちゃもんを付け、店側が要求に応じない事に腹を立て、脇にあった灰皿を蹴倒した所を通報され逮捕。(当時、腰ぐらいの高さの台に、金色の皿に白い石や砂を張った灰皿を置いてある店が結構あった)
両方とも実名が載りましたが、二度目は、名前の前に「○○組構成員」と書かれてあって、
「やっぱり…」
という感じでした。

大した罪では無かったので、直ぐに釈放され会社に遊びに来ましたが、
「いや~、ああいう店にはマニュアルがあって、器物損壊で通報される事は知っとたんやけどなぁ…抜かったわ。ぼんちもなぁ気ぃつけや」
よほど失敗したと思ったのでしょう。私にしみじみと言いました。
「いや、ぼんちは、そんな事せえへんし…」
そんな感じの、応答をいたしました。

因みに「ぼんち」という言葉は、今では関西でも使われていないかも知れませんが「坊や」とか「僕ちゃん」という意味で、当時でも年配者でなければ、まあ、使わない言葉でした。

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