むかーし、の、冷蔵庫にはカギがありました #冷蔵庫 #鍵

ガキの有る冷蔵庫

冷蔵庫が我が家実家に、初めてやってきたのは、私が、多分、三~四歳位の頃だったように思います。
「それまでの冷蔵庫はどうしてたの?」
兄たちに聞くと、
「そりゃあ、お前、木で出来とってのう。一番上の棚に大けえ氷を入れとったんじゃ」
と言います。
さすがに、木製の冷蔵庫の記憶はありません。
でも、白い鉄製の冷蔵庫が我が家にやってきた事はよく覚えています。
ナショナル製(現・パナソニック)で、ドアにカギが付いていました。
子供の頃の長兄は、大変な暴君で、我がままに何でも自分のモノにしていました。
この時も、冷蔵庫の鍵をわたくししてしまいます。
カギが無いと、冷蔵庫から食材が取り出せません。
父が、
「鍵を渡せ」
と言っても、長兄は、
「ダメ!」
といって、従わない。
何度か、同じやり取りがあって、滅多に怒らない父が、声を荒らげて長兄を怒鳴りましたら、長兄は泣きながら鍵を渡しました。
で、冷蔵庫のカギを開けようとすると、今度は鍵が入らない。
父が、鍵穴を覗いてみると、木屑のような物が詰まってる。

実は、次兄が、長兄を出し抜こうとして、密かに、マッチ棒でピッキングを試みて失敗。
折れた先端は、抜けない。
発覚を恐れた次兄は、折れたマッチ棒を逆に穴に押し込んで隠蔽しようとしていました。
「もー、お前らはぁ、ロクなことせんのぅ」
と、怒りながらも、父はもう笑っていました。
結局、電気屋だったのか鍵屋だったのか、とにかく業者を呼んで鍵を壊してもらってました。
今では、冷蔵庫に鍵なんて、考えられませんが、むかーしの冷蔵庫は、日本だけでなくアメリカなんかでも鍵が付いていたものです。
よっぽど、食材が大切だった時代だったのか、冷蔵庫が金庫を兼ねて居たのかもしれませんね。