消毒液の話 その1

今更ながら、コロナ消毒液の話


コロナに関わらず、インフルエンザ等でも、感染の経路のひとつとして

 人→物→人

があります。

つまり、不幸にして感染してしまった人。
が、ドアノブを触ると、ドアノブにウイルスの粒子が着きます。
そこを、他の人が触ると、ドアノブから掌にウイルス粒子が着くわけですね。

スーパーの買い物でも、同じ事が言えます。
商品を物色していて、戻すと、戻した商品に、ウイルスの粒子が着き、前述のドアノブと同じ理屈で、他人の掌にウイルスが着きます。
 
さらに、レジ係の方を通すと、レジの方にもリスクを背負わせることになります。
レジ係の掌を通して、次のお客の商品にウイルス粒子をつけてしまう可能性もあるでしょう。

レジ係の方の仕事を奪う様な発言になって申し訳ありませんが、スーパーなどでは、設置してあれば、セルフレジを使う方が、感染拡大の予防になるでしょう。
(私は、別の理由から、随分昔からセルフレジを使う様にしています)

そして、最近では、どの家庭でもやっていると思いますが、買ってきた食材の消毒。
お医者さんの言うには、素人(我々一般人)の場合、アルコール(エタノール)があれば、アルコールを使うのが一番良いそうですが、一番の理由としては、アルコールの消毒効果が一番高いからではないようです。
 
アルコール消毒の原理は、アルコールが、ウイルスのエンベロープ(封筒の意=油膜)を溶かし、剥き出しの核を水分で破壊するそうですが、エンベロープタイプのウイルスの場合、エンベロープに出来ている、生物の細胞に憑りつくカギ、スパイクが破壊されるために、皮膜が破壊されただけで感染力を失います。
つまり、毒が消える=消毒となる訳ですが、アルコールにも欠点があります。

まず、前述のエンベロープタイプのウイルス、および細胞膜を持った細菌(バクテリア)にしか効きません。
同じウイルスでも、非エンベロープタイプのノロウイルスにはアルコールは効きません。
加えて、アルコールの揮発する時間でしか効果がありません。
アルコールの揮発する時間は15秒程度が理想とされます。だから、アルコール濃度60~80パーセントで市販されています。
(アルコールによる消毒の、もっと細かいメカニズムは省きます。とにかく、細胞膜に匹敵する油脂膜が無くなれば、エンベロープタイプのウイルスは事実上死にます)

つまり、アルコール消毒の場合。アルコールが揮発してしまった後では、また、ウイルスの付着が可能な訳です。

ところが、漂白剤(次亜塩素酸カリウム)の場合、キッチンペーパー等に含ませて拭いた後も、その成分が残っている限り、殺菌効果が持続します。
 しかも、コロナ、インフルエンザ以外にも、ノロウイルス等、非エンベロープタイプのウイルスにも効きます。
アルコールに比べて、広範囲、驚異の殺菌力を発揮する漂白剤ですが、殺菌力が強い分、人体への攻撃力も強いわけです。

勿論、アルコールも消毒をする限り、人体をも攻撃をしている訳ですが、漂白剤に比べれば、人体への影響力は少ない。
よく、手に漂白剤が着くと、いつまでもヌルヌルしてますよね。あれは、皮膚たんぱく質を溶かしているからです。
それに、漂白剤は、全てではありませんが、金属も腐食させますし、お酢と混ぜ合わせると、有毒ガスを発生させることがあります。
なので、専門家さん達は、素人の場合、出来ればアルコールを使いなさいとおっしゃるわけです。