倅の友達が入院倅も昔、入院騒動があって、それはそれは、恐ろしい一日でございました。(前編)
何年か前のお話ですが、春休み前になって、普段、学童保育に入っている「I」君と、外で遊べると喜んでいた倅ですが、
「病気で、昨日からにゅーいんしてるんだって」
と学校から帰ってきて、私に報告しておりました。
「一週間くらいでたいいん出来るんだって」
と言っておりましたが、子供が入院すると、余所様の子でも、ちょっと気になります。
ましてや、倅と仲良しの子だとなおさら…
倅も二歳の時。入院しなければならないのかも?という事がありました。
それはそれは、恐ろしい一日でございました。
たしか、初夏の頃で、木曜日と記憶しております。
前日から、少し熱っぽく、その日の朝は、それ程でもなかった倅の体温が、お昼くらいに急上昇しました。
ヨロヨロと歩き、プルプルと震え始め、その姿は、まるでおじいちゃんです。
敷きっ放しにしておいた布団に自分から転がり、
「あ…あ…」
とうなされている倅。
目がクルクル回り、焦点の定まらない目をしてました。
「何?どうした?」
何を言いたいのか訪ねると、
「あ…アンパンマン…」
「おとーさん」でも「おかーさん」でもありませんでした。
(本当にこう言いましたが、この時はズッコケてる余裕は有りませんでした)
検温して見ると39.7度。掛かり付けの医院の午後開院まで、一時間半。
一時間半待つか?
しかし、待って更に容態が悪化する事だって考えられます。
医院から、更に救急車で搬送される事態になれば、二時間~二時間半位の遅れになるかも知れません。
考えたあげく、局番付119番に連絡し、くだんの事で、
「救急車は要請しても構いませんでしょうか?」
と訪ねましたら、
「私どもは、要請があれば出動します。必要かどうかは、そちら様のご判断次第です」
とおっしゃるので、改めて局番無し119番に電話をして、救急車を要請しました。
実を言いますと、近所の消防署はマンションから目と鼻の先にあります。
サイレンの鳴り始めから聞こえました。
「あっ、今出動したな」
近づくサイレンの音で、今どこを走っているかイメージ出来ます。
状況によっては入院する事になるかも知れないので、保険証やお薬手帳の他に、着替えやオムツを用意しました。
あっという間に救急車は到着。
倅を抱いて乗車すると、さっきまで息絶え絶えだった倅が、割にシャキッとしています。
救急隊員の質問にも、懸命に応えようとしています。
(と言っても、まだ、単語単語くらいしかしゃべられないんですけどね)
しかし、検温してみると39.5度。
隊員の方と相談した結果、倅が産まれた総合病院に搬送する事にしました。
(1ヶ月検診とかのカルテもありますしね)
正直、倅を抱っこしながら、
「この子が死んだらどうしよう」
と泣きたい気持ちでした。