98%事実のコント 宅配アルバイト
「おはよーございまーす」
「おはようございます。あれ、今日のアシストさんて、君? 初めてだよね。新人さん?」
「いえ、もう二年位います」
「え、二年も居るの? 俺、ここに来て四か月経つけど、今迄会ったことないよね」
「まー、前回の出勤が、半年前ですから」
「半年前? えっ? 半年も来てなかったの?」
「はい」
「人手不足なのは分かるけど、半年も幽霊社員っていうのも、どうかと思うけどね。で、…お名前は?」
「人に名前を聞く前に、自分が名乗るのが筋じゃないですか?」
「なんで、そんなに上からモノ言うんだよ…まあ筋だね、はい、ドライバーの○○です」
「僕は、ウエダって言います」
「ああ、ウエダ君」
「他のドライバーさん達からは、イリオモテヤマネコって呼ばれてます」
「え、なんか凄いじゃん! 配達が早いとか、そう言うの?」
「いや、滅多に会えないら」
「天然記念物扱い?」
「でも、失礼ですよね。せめてヤンバルクイナ位にしてほしいですよ」
「どっちも、滅多に会えないけどねぇ。まあ、いいや、今、積み込みしてるから手伝ってくれる」
「あ、僕、そーゆー契約じゃないんでぇ、配達だけで入ってるんでぇ、」
「えーっ? わかったよ、めんどくせー奴だなぁ」
「あ、それと、今日、早めに上がりたいんですけど、いいすか?」
「あー、何時まで出来るの?」
「いや、もう帰んないとまずいんですけど…」
「おめー、何しに来たんだよ」