【映画】大河への道 #映画 #伊能忠敬 #中井貴一 #北川景子

【映画】大河への道


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【スタッフ】
原作:立川志の輔 監督:中西健二
【キャスト】
梅さん/梅安:立川志の輔
池本保治/高橋景保中井貴一
木下浩章/又吉:松山ケンイチ
小林永美/エイ:北川景子
安野富海/トヨ:岸井ゆきの
各務修/修武格之進:和田正人
吉山朗/吉之助:田中美央
山本友輔/友蔵:溝口琢矢
中年サラリーマン/隠密:西村まさ彦
和田善久/綿貫善右衛門:平田満
千葉県知事/徳川家斉草刈正雄
加藤浩造/源空時和尚:橋爪功

コメディだが、最後にグッとくる映画

伊能忠敬の興した「大日本沿海輿地全図だいにほんえんかいよちぜんず」その制作に関わった人々の物語。
サスペンス系のドラマに疲れたので、箸休め的に観た映画でしたが、思いの他面白かったです。

あらすじ

千葉県香取市市役所で「佐原」の偉人「伊能忠敬」の生涯を大河ドラマにしてもらおう。というプロジェクトが発足。担当になった職員、池本保治(中井貴一)は、市内に住んでいるであろう、名脚本家・加藤浩造(橋爪功)のもとを訪ね、脚本の依頼をするが、「もう鳥肌の立つような物語がない」として、加藤は二十年も脚本から遠ざかっていた。
伊能忠敬」を知ってもらおうと、伊能忠敬資料館等に加藤浩造を連れて行く池本保治。
確かに、加藤はその地図、誤差僅か2%という、当時としては驚異の正確さに感動を覚える。
そして、プロット(あらすじ)のお披露目当日、加藤の持ってきたプロットは、志半ばで亡くなった伊能忠敬ではなく、その死を三年も隠して、「大日本沿海輿地全図」を完成させた、幕府天文方・高橋景保らスタッフに焦点を当てたものだった。

コメディには違いありませんが

最後は、ちょっとホロリと来る内容です。
作品中、脚本家・加藤は「伊能忠敬の事は、放っておいてもいずれ、誰かがドラマにする。だが、伊能の死を隠し、地図を完成させた弟子たちの話は、俺が書かないとダメなんだ」的な事を言います。古い映画で、加藤剛さん主演の「伊能忠敬」を観たことがありますが、今回の「大河への道」ほど、感動はしませんでした。加藤剛さんが悪い訳ではないですよ。念のため。

大日本沿海輿地全図」を観た英国は

作品中の脚本家・加藤浩造は「この地図の精度の高さに、イギリスは日本を植民地化する計画を断念したほどだ」というセリフがあります。「大日本沿海輿地全図」から四十年後の薩英戦争もそうでしたが、英国が見下していた東洋に、ちょっと侮れない国があると見直したようです。その意味で、伊能忠敬は英国の侵略から日本を守った一人だったのでしょう。

ちょっとだけ似た話

太平洋戦争開戦から半年。日本は破竹の勢いで、太平洋を席巻致しました。
破竹の勢いの理由は、日本の優れた暗号機「九七式欧文印字機」。
連合軍側コードネーム「パープル」。
第二次世界大戦中。暗号機で有名になったのは、ドイツの「エニグマ」でしたが、そのエニグマの解読も担当した、B.W.クラーク氏を以て。
「最も解読しがたい、最強の暗号機」
と言わしめました。氏は著書の中で、「当時、世界の暗号は、どこかドイツのエニグマに通ずるものがあって、日本の暗号もその例外ではなかった。ところが、パシフィック・ウォー直前になって、日本は、それまでとは全く違った暗号を使い始めた」
と述懐されています。
エニグマよりも更に強力で難解。それは、日本側に優れた数学者が存在する事を明らかにするものだった」
とも言っています。(B.W.クラーク著「暗号の天才」新潮選書刊より)
解読できない暗号の為に、日本軍の行動が掴めない。これが、開戦当初に日本軍が快進撃した一番の理由でした。
難解を極め。解読の糸口の見つからない、暗号機。
そんな優れた「九七式欧文印字機」(パープル)も、ひょんな事から、解読されてしまいます。
どんなに優れた暗号機でも、定期的にコードパターンを変えてゆかないと、解読の糸口を与えてしまいます。日本は戦線が拡大しすぎて、新しいコードパターンが、一部最前線にまで届き切らず、その最前線がつい、変更前のコードを使ってしまった為に、解読の手がかりを与えてしまいます。
そこから、日本軍の行動が読まれはじめ、ミッドウェーの大敗等に繋がって行く事になります。
ま、江戸時代の優れた数学者の一人、伊能忠敬を認めた英国の話から、ちょっと思い出したお話でした。

高橋景保

映画の主人公ともいえる高橋景保は、「大日本沿海輿地全図」の完成した1821年からわずか七年後、当時としては精工だった世界地図欲しさに、シーボルトに「大日本沿海輿地全図」の写しを渡してしまいます。世にいう「シーボルト事件」で投獄され、獄中死してしまいます。(僅か45歳)
判決前の死亡だった為に、遺体は一旦塩漬けにされ、ほぼ一年後、有罪判決の下った後に遺体は斬首されました。
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