脱炭素問題について私なりに感じた事
ボルボ、2030年までにEV車100%を撤回
販売車の90%以上をEVまたはプラグインハイブリッド車にすることを目指す。残り最大10%は状況に応じハイブリッド車にする方向。
他、ドイツも完全EV化を撤回。2030年以降もエンジンから電力を供給し、電力が不足すればエンジン走行もする「プラグインハイブリッド」車の製造販売する事を決定しています。
ヨーロッパ諸国は、ノルウェーを除けば、各国EV車化の撤回が続いていますが、やはり、これが現実かつ堅実な方向なのでしょう。
EV車、最大の欠点であり問題点
結局、電気を垂れ流し状態で、作り続けなくてはならない。
電気は貯めて置けない事は、誰もが知っている事ですね。
「電池」も実際は、金属類が電解する時の電流を利用しただけのもので、電気そのものを貯めている訳ではありません。
(リチウム電池は、一度電解して流れたリチウムに電圧(充電器で)を掛けて、電解前の位置に戻している事で繰り返し使える)
電気は水道と同じで、流し続けるしかなく、各家庭で水道を開けば水圧が下がるのと同様に、電気を使う家庭が増えれば、電圧も下がります。しかも、厄介なことに、水源地(ダム)の様に、使わないのであれば貯めておく。という事が出来ません。雨になって循環する様な事もありません。
EV車「給電ステーション」には、電車の送電線と同じく、絶えず、高い電圧で電気を与え続けなければならないわけです。
物理学者の武田邦彦さん(現在は政治家)はかつて、
「ジェット機は目の前でCO²出しているから、みんなケシカランと言うけれども、実際、電車の方がCO²は出して居るんだからね」
とおっしゃっておられました。電車はその送電線に絶えず電力を供給し続けなければならないので、結果、発電所で膨大なCO²を排出し続けている事を、計算上ではじき出し指摘されました。
ひところ「○○年までにEV車にするぞ」と息巻いていた、世界各国も、「EV車化する事は、結局、恒久的に膨大なエネルギーが必要となる」という現実を無視出来ない状況になりました。
(EV車化騒動そのものが、世界各国の自動車競走。大人の事情が多分に影響している)
「EV車」と「太陽光、風力発電」の写真を並べて、市民にクリーンなイメージを植え付けた所で、所謂、再生可能エネルギーだけでは、工業、生活電力の全てを賄えなえず、しかも不安定。更には環境破壊に繋がる現実もあります。
CO²を出さず、再生可能エネルギーの様に森林海洋破壊もせず、安定的に高い電力を得る発電方法とすれば、原子力発電しかありませんが、脱原発路線の現在では結局「火力」に頼るしかなくなります。
(実際、これらの心配から、はなから脱原発をしなかったフランスを除いて、ヨーロッパ各国でも緩やかな原発復活に動いている)
世界各国が「発電は原子力で」という方向になれば、全世界EV車化も夢ではないでしょう。
しかし、事故、戦争による破壊の心配から、なかなかそうは行かないのが現実です。
やはり「水素燃料電池」こそが救世主と思います
以前も、少し書きましたが、燃やした水素で発電しますので、CO²はゼロ。しかも、基本、使う分だけ、その都度発電するので、膨大過ぎるエネルギーも必要としません。
さらに、酸素と結びついて「水」になった水素を、電気分解する事で、再び水素に戻して使えます。水素エネルギーは究極的再生可能エネルギーとも言えます。
電気分解に必要な電力も太陽光エネルギーレベルで十分らしい上に、分解した水素で発電して分解できます。最近では、電気分解法以外の技術も確立されているそうです。
しかも、二酸化炭素と並んで温室効果を持つ「メタン(CH⁴)」(カーボン1に水素4)からも、水素を取り出せるので、メタンガスを減らすことも出来ます。
導入の進んでいる家庭用燃料電池「エネファーム」に使われているのは「水蒸気改質」という技術で、触媒上で反応させ水素と一酸化炭素(二酸化炭素)に分解致しますが、これだと、CO²も排出されるので、現在は「メタン熱分解」という技術が使われています。
「水蒸気改質」に比べて、エネルギー効率は下がりますが、この方法だと「水素」と「固体の炭素」に分けられるので、一切CO²を出さないそうです。(固体炭素は貯蔵も出来る上、エネルギー物質として使える)