恐らく誰が見ても美しいと思うだろうウイルス

「バクテリオファージ」バクテリアに専門に憑りつくウイルス。

f:id:kosodatehiroshi:20200831215006j:plain
文字通り、バクテリアを食べるウイルス。(食べているわけではないが)古くから知られているウイルスで、大腸菌に専門に憑りつくため、抗生物質に耐性を持ったО-157等大腸菌の駆逐に役立つと考えられている。
正20面体のカプシド(頭の様に見える部分)の下に管(鞘)があり、その下に、写真では五本しか写っていないが、六本の足がある。月面に着陸する宇宙船を連想させるデザイン。これがナノメートル単位で創造されたのは驚異である。正20面体のカプシドは、コロナ、インフルエンザ等も細胞膜(エンベロープ=封筒の意)の中に持っている。ノン・エンベロープタイプのノロウイルスの場合はバクテリオファージ同様に、剥き出しの正20面体カプシドで居る。


写真はバクテリアに憑りついた電子顕微鏡写真ですが、憑りつくと、特殊な酵素を出して、細胞の免疫スイッチを切ります。管を通して、バクテリアの細胞内に数本の短い遺伝子を送り込み、細胞のDNAを利用。自身の複製を大量に作ります。そして、細胞内がウイルスの遺伝子で一杯になった時、細胞がさく裂。つまり死亡してしまいます。コロナ、インフルエンザのようなエンベロープタイプのウイルスは、細胞がさく裂する瞬間に、ちゃっかり細胞膜を利用して自身の殻を作ります。