原爆記念日【夏休み】良ゐ子に送る「ザックリ原子爆弾」の話 #原子力 #原爆 #水爆 #核分裂 #核融合 #放射線

【夏休み】良ゐ子に送る「ザックリ原子爆弾」の話


原爆記念日
私は、広島出身だし伯母が被爆者でもあったので、やはり、思い入れのようなモノはあります。
特に小学生のころ、夏休み毎に「原爆のしおり」を読まされ、「原爆を許すまじ」という歌を歌わされたものです。
原爆死没者慰霊碑には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれていて、投下14年後に訪日した、革命家のチェ・ゲバラ氏は、この慰霊碑を見て「主語がない」と言いました。加えて、原爆という非人道な武器で以て、非戦闘員を大量虐殺されたのに、日本人は怒るどころか、反省している事に不思議を感じていたと言います。
医師でもあった、チェ・ゲバラ氏は、原爆病院も訪れ、被爆者の悲惨さを世界に訴えてもいます。
七十八回目記念日を迎えますが、核兵器の廃絶は本当に心から願います。
しかし、多分、人類が滅ぶまで、核廃絶は出来ないように思いますが…。
ザックリ原子爆弾の話
原子爆弾(核爆弾)というが爆発しているわけではない?
いわゆる、原子爆弾とは、ウラニウムプルトニウムをぶつけ合い、中性子を吸収することで、核分裂を起こしますが、厳密にいえば「爆発」というイメージではありません。
物質が核分裂を起こす際に、数万度という熱エネルギーを放出しますが、大気の中に、突如として、この数万度という超高温が出現するために、空気が爆発的に膨張します。
これが、驚異的な爆風となり、爆弾という兵器になります。(分裂の際に、ガンマ線という殺人光線も出します)
広島に投下された原爆の場合、半径2キロ以内の木造家屋は、完全に吹き飛ばされ、鉄筋コンクリートの建物は、全壊をまぬかれたものの、厚さ1メートルの壁でさえ破壊されています。
「大気」「物質」があってこそ、核爆弾は爆弾として炸裂しますが、接する物質が一切ない宇宙空間では、爆弾の入れ物が瞬時に蒸発、膨張するだけで大した爆発にはなりません。
原子爆弾の仕組み
ウラニウム
簡単に言ってしまえば、自然界に存在する「ウラン235」と「ウラン238」のうち、「ウラン235」を二つ用意して、高速でぶつけ合うことで核分裂を起こします。
ウラニウム型は、ぶつけ合えば、確実に分裂を起こすため「暴発ぼうはつ」のリスクが伴います。
そのために、広島に落とされた原爆「リトルボーイ」(ウラニウム型)の場合は、エノラゲイ(広島に原爆を投下したB29爆撃機の愛称)に、ボマー爆撃手以外にエンジニア製作技術者も乗り込みました。
万一、暴発しても、基地のテニアン島に被害が及ばない距離まで離れた所で、爆弾の組み立てを開始いたしました。

広島に投下された「リトルボーイ」は二つのウランをぶつけ合うために前後に長い形をしている

プルトニウム
プルトニウムは、ある一定量(※)がまとまれば自然と核分裂を起こします。逆を言うと、小分けにして置いてあれば核分裂を起こしませんから、暴発のリスクを少なくできます。
小分けにしたプルトニウムを球状に配列し、同時に「ぶつけ合う」…というより、私のイメージでは、高圧でギュッと纏める事で核分裂を起こさせている感じです。
長崎に落とされた「ファットマン」(太っちょ)もプルトニウム型爆弾で、リトルボーイに比べて丸っこいのは、球状にプルトニウムを配置しているためです。
定量=公表はされていないが、ソフトボール位の大きさと想像されている。
核分裂に必要とされるスペース=これも公表されていないが、「直径30センチ」以上のスペースが必要と言われている。

長崎に投下された「ファットマン」プルトニウムが球形に配置されている

プルトニウムは自然界に存在しない
と言われていた
プルトニウムは「ウラン238」95~97%に3~5%の「ウラン235」を加えることで生成されます。
自然界には存在しないとされていましたが、1972年頃に、微量ながら天然の原子炉で生成されていた事が発見されます。
原子炉
ウラン238」が「ウラン235」の中性子を吸収する事で、プルトニウムはゆっくりと生成されますが、この過程で大きな熱エネルギーを生み出します。
その熱を利用したのが「原子力発電所」です。発電の為に生まれた技術ではなく、プルトニウム生成目的の副産物として発見されました。
水素爆弾
広島・長崎に落とされた原子爆弾は、「核分裂」を利用していましたが、水素爆弾は「核融合」を利用した爆弾です。核融合核分裂よりも大きな熱エネルギーを生み出すために、大気の膨張も大きなモノになります。加えて核分裂よりも放射能物質をバラまかない。とは言われていますが…
太陽等の恒星は、宇宙の膨大な水素が集まり、高圧になって金属の様にカチカチになり、その超高圧力で高温を生み出し核融合がはじまります。
この、核融合を人為的に起こそうとするのが、水爆ですが、水素の中にも比較して重たい水素があります。これを「重水素」と言い、ある程度集めて、高温高圧を与えないと核融合は起こりません。しかし、高温高圧なんてそんなに簡単には作り出せませんから、結局は核分裂爆弾で高温高圧を作り出し、水素核融合爆弾を実現させています。
つまり、水素爆弾は爆薬の爆発、核分裂の爆発、核融合の爆発の三重爆発を瞬時に行っていることになります。
以上はザックリと、原爆について書きましたが、良ゐ子の勉強のきっかけになってもらえれば幸いです。
因みになんですが、日本では「戦争につながる」として「地政学」や「戦争論」を学校で教えない傾向にあります。核エネルギーに関しても、「兵器」に繋がるとして、学ばせない傾向があるようですが、戦争を嫌悪するがあまり、これ等から目を背けると、戦争の避け方も判らなくなってしまうと私は思います。
仮に「平和の為に戦う」という大義名分があっても、暴力で自分の意思を通そうとする行為そのものは、全て戦争である事を理解しなければ、掲げる平和も歪で、残酷な戦いになるように思います。犯罪の性質を理解しないと、防犯は出来ないのと同じだ。と、私個人は思います。
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