良い子なんだか、いけない子なんだか…
倅がまだ、ベビーカートで移動していた頃の事です。
近所のスーパーS友での事。
1階でエレベーターを待っていると、昇降ボタンの脇に、スケートボードを脇に抱えた、高校生くらいの男の子も立っていました。
若いんだからエスカレーターか、階段で行けば良いのに…
と少し、嫌味を思いましたが、この男の子。
私達がエレベーターに乗るとき、ボタンを押してくれました。
結構良い子じゃん…内心でそう思い。
「済みません」
と、お礼を言って、先に乗らせて貰いました。
彼も同じ階に用が有ったらしく、降りるときもボタンを押して、先に下ろしてくれて。
世の中まだまだ捨てたモンじゃないね。
そう思いつつ「ありがとうございます」と、お礼を言うと、男の子も照れくさそうな笑顔で会釈を返して来ます。
人間誰しも感謝されれば嬉しいものですね。
見かけによらず良い子だな。とは思ったのですが、私達が降りた後、男の子は脇に抱えていたスケボーを床に置いて、
「ガー」
とフロアを滑って行きました。
んー、これはマナー違反だな。
良い子なんだか、いけない子なんだか…判断に困るところです。
しかし、荀子曰く
「罪を看過することは、実はそれ程の罪ではない。賞罰に拘って、伸びようとする善を摘み取ってしまうことの方が罪なのである」
高校生くらいの子を注意する勇気も無かったけれど、注意できても、折角の彼の善意を砕くだけのような気もして止めました。(^^ゞ
【荀子】
紀元前3世紀頃の儒者。孟子の「性善説」に対し「性悪説」を説いた。「秦」の宰相「李斯」や「法家」に分類される「韓非」の師。「非情の書」韓非子は、荀子の「賞罰を明確にする」という思想を体系化したもの。
引用した台詞は、荀子が弟子の李斯を諭した時の言葉を要約したもの。
読み進むうちに、単純に人の本性とは「悪」である。という考えに囚われていない事が解る。
「塵も積もれば山となる」
「青は藍より取りて、尚、藍よりも青し」
等の諺は荀子の著書による。

※私の愛読書のひとつです。岩波書店からも出ていますが、徳間書店版の方が読みやすいです。中・高校生位から読んでみてもらいたいですね。
