どうしたら、本を速く読めるようになるのか
本を沢山読みたい。と、思っても、なかなか速く読めない。という人は沢山居ると思います。
私も、若い時分、高校生の終わり頃だったでしょうか、
「もっと、速く本を読めるようになりたい」
と思って「速読術」なる本に手を出しました。
「手を出した」
なんて書くと、なんか悪事に手を染めたみたいな表現ですが、ハッキリ言ってあんなに、分厚い本を読む必要はありませんでした。本の内容は、脳の反応だとか、視野の問題、速度に対する目の順応性だとかを、実しやかに書いていました。
勿論、それらは、脳科学的には正しいのでしょう。が、それは、速く読める事の、分析でしかありません。
知識として知っておいても良いですが、あんなに分厚い本にしなくても良いのに、というのが私の感想でした。
速読法には幾つかあります。
「ブロック読み」
文章を幾つかのブロックに区切り、写真を撮るような感じで読んでゆく方法。
「斜め読み」
縦書きの文章なら、ページの右上から左下。横書きなら左上から右下に目を走らせて読む方法。
(「斜め読み」は昔の編集マンが、よくやる速読法でした。(漫画含む))
大切なのは、どちらの方法でも、ただ漫然と眺めているのではなく「読む」という意識が必要です。
とは言え、正直、どちらも、やって直ぐ出来るものではありません。
上記方法は、相当文章に馴染まないと出来ません。
まず「文章を読む事に馴染む」という過程が必要になります
これから読書習慣を身に着ける。のであれば、まずは、普通に文章を読む事から、をお勧めします。それも、自分が興味ある本、面白いと思う本から始めましょう。
すると、自然に、段々と読む速度は速くなります。
一日、二日で効果が出るものではありませんが、この方法で、先ず「文を読む感覚」を身に着けないと、どんな速読法も身に着きません。
私の場合、兎に角、本を読んでいるうちに「漢字の拾い読み」をしていました。
気が付くと、眼が漢字を追っていて、間の平仮名は自然に入ってくるようになります。
この方法で、500ページの本を一日五冊平均で読んでいた時期もあります。
その内、この「漢字の拾い読み」と「斜め読み」を合わせたような読書法になりました。
でも、実際の所、編集時代も、私は、余り「斜め読み」はしたことはありません。ライターの書いた文章は、短文が多いので、普通に読んでも事足りましたし、他の編集マンも「斜め読み」や「ブロック読み」はそうそうやっていなかった、と思います。
年取った今、私は「漢字の拾い読み法」に落ち着いています。
ただし、これら、速読法は全て、小説やエッセイ本、記録を読む、くらいにしか、通用しません。
本格的な学術本の場合は、読書に慣れている分、多少は速く読めても、普通に読み込まなくては、理解は難しいと思われます。私の頭が盆暗だから、かも知れませんが、学術本は余り速くは読めませんでした。
速読本の中で、唯一、結構効果のある方法があります。
本を読む前に、パラパラ漫画の様に、本をしならせて、ページを「パラパラ」って捲る方法です。
その時、パラパラ捲られるページの文字を見ようという意識が必要で、何回かこのパラパラ漫画法を続けて、読書に入ると、速さに目が慣れて、一時的ではありますが、読書速度は確かに上がります。
以上の様な方法を参考に、自身に合った速読術を編み出してみてください。
くれぐれも、速く読むことに囚われて、内容が理解できてない。なんて事にならない様に気を付けてください。
普通のスタイルで読んでも、読書を続けていれば、必ず速く読めるようになります。