私の故郷② #故郷 #田舎 #意識

私の故郷②

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田舎「のんびり」と言えば聞こえは良いが
結局、ただの悪口になってしまいます

父の古い知り合いに、植木屋さんが居て、「枯らし」と陰で渾名されていました。
彼が庭を手掛けると植木が全部枯れる。我が家にあった枝ぶりの良かった松も、彼の手にかかり死亡。「こりゃ、マツクイムシじゃろうて」とか言ってましたが、素人目にも葉っぱを切り落としすぎに思えました。
その、植木屋さん、ある時、町のお医者さん家の庭に目を付けます。熱心に営業掛けて、剪定に入りましたが、お医者さんちの庭木は全滅。お医者がクレームを入れると、
「医者でも、人を殺すことがあろうがぁ」
と、逆ギレしました。
観光案内所
市の極一部ですが、江戸時代からの古い町(小京都)があって、時々、映画の撮影現場になったり、アニメの舞台として、描かれた事もあって少しだけ観光地でもあります。
駅前に「観光案内所」があって、500円ワンコインで、自転車を夕方の五時位迄レンタル出来、私も、帰省の折、時々ですが借りて、町を巡回していました。
所が、このレンタル自転車、どれも空気が抜けていて、ちゃんと管理されていません。
「まあ、ウチの田舎だからこんなものだろう」
市民の意識の低さには、慣れているので、空気入れを借りて、自分で空気を入れていました。
ある年、とうとう、その空気入れも壊れていて、仕方なく、近くの自転車屋まで押して行って空気を入れました。
そして、町内を回り案内所に帰って来ると、受付のおばさん達が妙に怯えている。
どうしたのかと思って聞いてみると、「今日に限って観光客が多くて…」自転車に空気が入ってない。空気入れも壊れている事を怒られた。と言います。
しかも「そんな事言われてもねぇ」という態度。まあ、この意識の低さこそが我が田舎。と思わされるエピソードです。
田舎に残っている幼馴染が、過疎化してゆく「市」を冗談ぽく「なんとかしてくれぇや」と言ったことがありますが、まず、意識を変えないと駄目だと思っています。
しかも、面白い事に、市役所職員の大半が隣の市に住んでいるらしく、我がまちの人気の無さが伺えますね。
なんかズレている
私の田舎も、今ではケーブルテレビが主流です。
実家のテレビで「市」の番組を観ていると、地元劇団による「オレオレ詐欺撲滅」のお芝居を演っておりました。
ストーリーは「水戸黄門・世直し旅」がベースで、「悪代官」を「特殊詐欺集団」に置き換えただけ、なんか訴え方がズレている感じです。
「これだったら、具体的な手口を芝居にした方が、よっぽど撲滅に繋がるだろうに」と言うのが私の感想でした。
他にも
冠婚葬祭の御礼状の住所印刷を請け負った業者が、「眠たい目、擦りながらやったけん、ちゃんと出来とらんかもしれん」といって、納品。
本当に出来てなく、結局は発注したお宅が書き直し、そのくせ、料金だけは、きっちり貰って行くという様な事が当たり前に通っていたりします。
…なもんだから
なにかしら業者を頼む時、近隣の市の業者に頼む人が多くなっています。
まあ、地元の業者がいい加減で信じられないから仕方ないでしょう。
しかし「地元の業者に頼むのが普通」という意識
市内に競争相手が居ない。なんとなくだけど、みんな顔見知りな所もあるせいか、どこか、「放っておいても仕事は来る」的な、安易な感覚があるように思えます。
信用できないので、余所の市の業者に頼むと怒る。有るか無かの信頼関係を振りかざしてくる。など、たちの悪さもあります。
一方で、本当に頑張っている人も居る
我が市には、小さいですが、有名な、ジャムの本社があって(支社はないかも)、そこのジャム工場の見学ツアーの女性が、我が田舎をなんとか盛り上げたいと考えている人でした。
「へぇー」
と感心しましたが、出身はなんと東京の中野。大学で知り合った旦那さんが、私の田舎の人だったので、結婚後、我が田舎に暮らしている。
あと、小京都地区の案内をしている女性。一生懸命に案内をしてくれますが、こちらも都会からの移住者でした。根っからの地元民の意識が低く、余所から来た人の方が、頑張ろうとしているなんてね。
なんか、そんな町が、私の田舎です。
【余談】窃盗癖
随分昔に、市役所を定年退職されたご近所さんで、「KのIちゃん」と呼ばれるオジサンが居ました。
「葬式」等があると、誰も頼んでいないのに、勝手に受付をやり、後で香典を見ると、必ず幾つか空の香典袋がある。
「神事」で、氏子の集めたご祝儀の入った袋をやたらに触りまくって、後で見るとやっぱり幾つか空袋がある。余所の家から物を盗む、雑貨屋で万引きはする。
本人も「わしのは、病気じゃ」という程でした。
それでも、市役所職員なのに、解雇される事もなく定年まで勤めあげたのは、我が田舎の仕組みにありました。窃盗癖は周知の如くでしたが、ウチの親父などが注意するだけでお仕舞。村全体が顔見知りなので、なあなあになって警察地沙汰にもならなかった所にありました。
しかし何年か前、とうとう手が後ろに回る
街は、過疎化が進む半面、駅周辺に都市部に通う、都会から来た人たちが、少数ながらマイホームを建て始めてもいます。
「KのIちゃん」は、この人達宅から物を盗み、逮捕されました。
自宅の納屋には、戦利品とも言える、窃盗品で一杯だったそうです。
他にも、なあなあ過ぎて、余所の家から勝手に、飲食品を持ち出す人も、結構居ます。
大昔は、それでも助け合う仕組みがあって、良い所もありましたが、こうした意識の低さが大嫌いで、私は故郷を捨てました。
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