「それでも新政府はまとまってゆく」
大河ドラマ「青天を衝け」を観終わって
徳川家康が冒頭で
「新政府が、なかなか纏まらない」ボヤいてました。
アジアの奇跡
西洋が百年、二百年かかった事を僅か十数年で成し遂げた
なんて、ヨーロッパ勢に言われたりした、明治維新新政府です。しかし、私見では、革命七百年の歴史の結果だと思っています。
何度も書きますが、私は、武士とは百姓の親分である。という見方をしています。
平安中期(9~10世紀)に、農民の中から武士が現れ。「貴族の奴隷」という立場から解放したと考えています。
そこから、労働者階級が政を執り、「労働こそが尊い」という社会になって行ったと考えています。
戦国時代の戦いも、奴隷を有する貴族同士の争いとは違って、経営者から従業員までを巻き込んだ、土地の奪い合い、という解釈で見ています。
大河ドラマの中で、江戸時代の身分差をことさらに取り上げられますが、武士社会は、貴族と奴隷のそれとは違い、会社内の上下関係に近いものだったでしょう。身分も売り買いされていました。
ドラマ内で、西洋は、上下の区別がない様に扱われます。しかし、彼らは戦って戦って、割合最近に一応の平等を勝ち取っただけです。決して、自然派性的に平等思想が起こった訳ではありません。
生麦事件、薩英戦争、京都に新選組が闊歩していた頃、まだアメリカは、南北に分かれて奴隷解放にまつわる戦争を繰り広げていました。
1865年。(明治元年が1868年)やっと、アメリカで奴隷制度が法的に廃止されました。
日本の奴隷の解放
平安中期頃に法令として、奴隷制の廃止が施行されます。世界に先駆けてと言って良いでしょう。
勿論、実質的にはその後も、奴隷は存在しています。ですが、行政が法律として奴隷を禁止した事が革命的で重要な訳です。
現代の所謂、先進国と呼ばれる国々でさえ、借金の縛や、誘拐によって、実質的な奴隷が存在します。存在しますが、決して合法ではありません。
室町時代に基礎ができる
室町時代に寺子屋、退職金、暖簾分けの基礎ができ、桃山時代に全国の物資が大坂に集められ、値段が付く。という物流システムが出来、物流経済に参加するために、識字率が上がり、江戸時代を通して、藩毎に多少の違いはあるものの、百姓、町人身分でも寺子屋で読み書きを習う事が出来ました。
自分が就きたい職業。それに特化した教育が受けられ、大工なら大工に必要な教育を受けられました。例えば、基礎部分がきちんと矩形になっているかをピタゴラスの定理で測ることも出来ました。
文字が読めれば、出版業も成り立ちます。職業紹介所に当たる、「口入屋」もあって、パン屋の息子はパン屋にしかなれない。というような西洋事情とは、かなり異なっている社会です。
武士の台頭という革命で、奴隷解放。そこから、何百年も掛けた下地があればこそ、明治維新は成功し、一見、十数年で成し遂げたように見えただけだ。と私は思っています。