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「肉まん」と「豚まん」

肉まんと豚まんの違いとは?

うー、寒いですね。
やっと冬らしくなって来ました。冬はね、こうでなくてはなりません。
寒くなると、「肉まん」が美味しく感じますね。
「肉まん」の事を関西では「豚まん」といいます。
関西…西日本では「肉」即ち「牛肉」を指すので「肉まん」だと「“肉まん”言うといて、豚肉やないかい」という具合になっちゃうので、わざわざ「豚肉饅頭」=「豚まん」という訳です。
とはいえ、この頃ではメディアの影響で、大阪辺りでも「肉まん」で通っているかも知れません。
私の田舎でも、昔は「豚まん」と言っていましたが、今では「肉まん」と言っているようです。

そういえば

鶏肉も、関西では「かしわ」と言います。イントネーション的には「かわ」「し」が強い感じです。
我が故郷でも、十数年前までは「かしわ」の方が一般的な通り名で、スーパーなどでも「かしわ」表記で売ってましたけど、現在では東京と同じく「鶏肉」表記になっていて、ちょっと寂しい。
京都、大阪辺りでは、今でも「かしわ」で頑張っているらしいですが、鶏肉包囲網にじわじわ押されていると聞きます。

「テンプラ」

これは、関西というより、多分、中国地方辺りから西かも知れません。
「さつま揚げ」の事も「テンプラ」と言っていました。
徳川家康の死因は「鯛のテンプラ」に当たった。という記録がありますが、この時の「テンプラ」は「さつま揚げ」の方だったようです。
健康維持のために、珍しい食べ物とか、旬ではない食べ物は決して食べなかった。という家康でしたが、徳川幕府安泰を確信したのか、当時、珍味といわれた「テンプラ」を食べました。お代わりまでしたと言われています。
その後、腹痛を訴え、床に就く事になりますが、文献に残る症状から、食中毒ではなく胃ガンではなかったか…と言われています。
因みに「テンプラ」の語源はポルトガル語の「テンポーラ」(油で揚げた物の意)だそうで、日本に伝わった段階で、既に、小麦の衣をまとった「天ぷら」そのものだったそうです。
伝聞では、長崎で魚のすり身を油で揚げたものもが発明され、同じく油で揚げる為に「テンプラ」と呼ぶようになったと言われています。
更に因みに、「タバコ」もポルトガル語由来ですね。漢字で「煙草」の字を当てますが、タバコ屋さんには今でも「tobacco」の表記がひっそりと残っています。
タバコはアメリカ原産なので、多分、ネイティブアメリカ人が「タバコ」と言っていたのでしょう。

京都の先斗町ぽんとちょうポルトガル語の「ポント」(ポイントの意)が語源ですし、鯖寿司と混同される、大阪の「バッテラ」寿司も、ポルトガル語の「バッテーラ」(小舟)が語源です。
現在では鯖寿司の様な「バッテラ」ですが、元々は大坂湾で獲れる小魚を酢飯に乗せて作る「押し寿司」でした。その様が小舟に似ていたことから「バッテラ」の名前が付きましたが、小魚が獲れなくなったので、代わりに鯖を使うようになったそうです。
しかし、京都の鯖寿司に遠慮したのか、鯖の皮に薄く肉を残すようにしたものを使っていました。
私が京都の寿司屋でアルバイトしていた頃は、肉厚のある方が「鯖寿司」、薄い皮だけの方が「バッテラ」とハッキリ分かれていました。
現在では、バッテラ表記でも肉厚のある物が多く「鯖寿司=バッテラ」と思われているようですね。

サケとシャケ

標準語辞典では「鮭」は「サケ」と読むのが正しいとされていますが、巷では「サケ」が加工されて「シャケ」になるが、そのボーダーラインが分からない。なんて言われているみたいです。
なんか、漁獲後の出世魚みたいな言い方ですけど、少なくとも、1990年代頃までは「シャケ」は「江戸弁」である。と言われていたものですけどね。
江戸っ子は「さしすせそ」と「はひふへほ」の発音が曖昧と言いますか苦手で、
「そこをしだりに曲がって、まっつぐ真っすぐ行った所でい」
なんて言ってました。
私が若いころに住んでいたアパートの大家さんも、チャキチャキの江戸っ子でしたが、
「子育てシロシさんは、シロシマ出身なの? じゃあ、帰るときはシコーキで帰るの?」
なんて言ってました。
フリーアナウンサーの「迫文代」さんの事は、「セコフミヨ」なんて言ってましたしね。
最近、コテコテの浪速っ子も減った気がしますが、チャキチャキの江戸っ子もまあ、見なくなりました。
メディアの発達で、国語は統一された観が強いですけど、「所変われば」的な、地方色が失われてゆくのは寂しいですね。
因みに、鮭の腹から取り出した卵の塊は「スジコ」(日本語)ですが、バラけた状態になると「イクラ」(ロシア語)に成ります。チョウザメの卵もロシアでは「イクラ」と言いますね。

余談ですが
「姫路」も標準語辞典ではフラットに「ひめじ」が正しいそうです。
先頭の「ひ」を強く発音する「めじ」は、関東訛とされていました。
因みに、キノコの「しめじ」ですが、こちらは、「しめじ」「めじ」のどちらでも良いんだそうです。
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