行列に纏わる話 #行列

行列に纏わる話

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【春先になると。】
私の住んでいる地域は、大手町~新橋などオフィス街まで、20分程度で出られる事もあって、転勤族の住む町でもあります。春先になると、人の入れ替わりも激しくなり、倅の学校でも転校してゆく子も多いし、転校して来る子も沢山います。
【スーパーのレジに並ぶと】
そんな春先に、スーパーに出かけたりすると、ちょっと関東辺りでは、見かけない光景を見かけるようになります。
【レジの順番取りをする夫婦】
ある年の春。私の前に、買い物かごも持たない三十代の女性が、ベビーカートを押しながらレジに並んでいました。
「この人、レジに並んでいるのかな?」
と思いつつも、レジの行列は短く成って行くのですが、短く成ると、その女性はソワソワし始めて、店内を見渡しはじめました。何かを見つけた表情をして、
「パパ、早う、早う」
と叫びます。訛りが関西系でした。ママがレジの順番を取り、パパが買い物をする手筈だったようです。まあ、東京あたりのスーパーで、ここまでする夫婦は、なかなか珍しいです。
【荷物台の場所取りをするオジサン】
レジに並んでいると、レジの先の荷物台の前で立っている、六十代位のオジサンが居ました。
ソワソワした様子で、レジに並ぶ行列の中の人を目で探しているようでした。
で、相手を見つけたらしく、「おかあちゃん!  早う、早う」と手を振っています。また関西弁。
(早う、言うても、清算済まんと、どもならんやろ)内心で思いましたが、奥さんがレジに並んでいる間に、旦那さんが荷物台の場所を確保しておく手筈だったようです。
【列に割り込み】
レジの順番を待っていると、おばさん…というより、お婆さんに近い二人組が居ました。二人とも買い物カートを使い、関西弁で話していましたが、どうやら、共に息子夫婦の転勤に付いて上京。こちらで知り合って、意気投合した様でした。
買い物もすんだらしく、二人は、私の並んでいる行列の先、レジ横にピッタリくっ付いて、
「…これ…並んではるんやろうか?」
一人がつぶやき、もう一人が、
「…並んで、はるんやろうねぇ」
と言った切り、割り込む様に居座ってしまいました。
行列全体に「あ、割り込みやがった」という空気が走りましたが、おばさん二人は、知らん顔。すると、レジのお姉さん(実際はおばさんでしたけど)に、
「列の後ろにお並び下さーい」
注意されました。しかし、おばさん達は、
「いやぁ、急いでますんでぇ」と口答え。
「皆さん、急いでらっしゃいますよー。後ろにお並び下さーい」
と言われて、二人のおばさんは、
「まー、なんやのん、あの人」
悔しそうに言いながら、別の列の後ろに並んでしまいました。
【そして、いつのまにか居なくなる】
こうした、関西風セッカチさんは、春先に現れて、初夏を迎えるころには、関東に馴れるのでしょう、関西弁も使わなくなって、居なくなります。
四月頃の新入社員は、通勤電車に馴れなくて、妙に邪魔なものですが、五月位に順応して、通勤の景色に馴染んでゆきますが、それと似ています。
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