玉葱から始まるお話 #出雲大社 #関東大震災 #玉葱 #水 #噂 #信用金庫 #銀行 #100年

玉葱から始まるお話

先日、スーパーに行った時の事。

山積みに置いてある玉葱を、手に取っては吟味し、戻す時は投げる。
という、おばさん(お婆さん?)を見かけました。
投げ戻すと言っても、短い距離なのですが、買い上げるまではお店の商品。
個人的には、なんとも、感心しない光景に見えました。
お年を召した方だったので、手に取るときは仕方ないが、戻す時の僅かな腰曲げは辛かったのかもしれません。
にしても、「傷むでしょ」。

そして、思い出したこと

六年ほど前。倅の夏休みに、実家の兄夫婦と出雲大社に行ったことがあります。
私の子供の頃なら、車であっても中国山地を越えるのは、なかなかに大変なものでしたが、今では幹線道路が整備されて、結構早い。
そんな出雲大社手水舎てみずやでの事。
年の頃なら、五十歳前後おじさんでしょうか、柄杓で手水鉢ちょうずばちから水を汲んでは、直接口を着けて飲んでいるし、ウガイもしている。しかも、使った柄杓もそのまま水盤に投げ戻す。という事をやっておりました。
参拝マナーもへったくれもない。
「なんだ、このオヤジは!」
呆気に取られていると、そのおじさんは、連れらしい、隣の女性に話しかけました。
それが「中国語」。
よく見ると、彼ら二人の周りもお友達らしく、皆で、罰当たりにも、神聖な手水舎で鳥の水浴びの様な振る舞いをしていました。
「外国人なら、マナーを知らないから仕方がないか…」と思いつつも、日本人の私は腹立たしくはありました。ツアーであればマナーの説明位あったと思いますけどね。

「水の扱いマナー」で思い出したこと

私が上京して何年も経たないころ、仕事で関東大震災に関する取材をした事があります。
当時はまだ、震災を経験された方も沢山ご存命で、有名な「朝鮮人虐殺事件」の発端をお聞きしました。
震災が起きた時、多くの朝鮮人が井戸の周りに避難するように、集まったそうですが、「つるべ」(井戸の桶)に直接口を着け、水を飲む朝鮮人が多かったようです。
日本人のマナーでは、一旦、別の桶に移して、更に湯呑で汲んで飲んだりしたそうですから、日本人側からすれば、とんでもない光景だったのでしょう。
しかも、その口を着けた「つるべ」で再び水を汲み上げる。
それに日本人が怒って虐殺事件に至った…と、いうほど短絡的なお話ではありませんでした。
朝鮮人が井戸水をダメ汚染にした(唾液が入って)」「飲めなくした」という口伝が、「ダメにした」「飲めなくした」→「という事は毒を入れた」「テロを働いている」と解釈されて事件に至った。と聞きました。
取材させていただいた方の民族は伏せますが、当時を知る方からはこのように聞きました。
最初は「あーあ、もう」程度だったことが、とんでもない事件に発展したわけです。
大正十二年。まだ、ラジオ放送もない時代。情報の殆どは口伝えに頼るしかありませんでしたが「解釈のズレ」は、恐ろしいものです。

「口伝の恐ろしさ」で思い出したこと

有名なお話ですが、その昔、女子高校生の交わした何気ない会話が信用金庫を潰しかけた。というお話があります。
通学の電車内で、某信用金庫に就職の決まった友達に言った「信用金庫って大変なんでしょ?」という言葉が発端でした。
「大変なんなでしょ」は「仕事としてキツイんでしょ」という意味だったんですが、向かいの席辺りで聞いていた人(女性らしい)は「信用金庫大変? (大変な状態?)」と解釈し、知人に「信用金庫が大変らしい」と話し、「大変」は「経営状態が悪い」「潰れる」と解釈されて巷に広がり、信用金庫から、お金を引き上げようとするお客が殺到しました。(この騒動に関する記事が、ウィキペディアにありましたが、ウィキの記事は日本テレビ「仰天ニュース」の再現ドラマを文章化したものです。「ウソ」とまでは言いませんが、番組以前に伝えられていた話とはかなり違っています。)

「解釈違い」で思い出したこと

数年前のパート先で、チームメイトの若い女の子が、
「子育てさんは、ぱんだと何が好き?」
と聞いてきたので、
「パンダと? …犬かな? でも、俺がパンダが好きって前提なのも…」
「そうじゃなくて、パンなら…何が好き?」
なんて事がありました。
まあ、本当は最初から「パンであれば」と分かってましたけど。

余談「湯水のごとく」
よく、お金や物を贅沢に使う様子を「湯水のように」と言いますが、その昔、水の豊かな日本であっても、「湯」「水」の確保は大変でしたし、それこそ、汚染を恐れた丁寧な扱いをしていました。本来の「湯水のように」とは、より大切に扱えという意味なんだそうです。
この記事が面白いと思ったら、ブログ村プロフィールをポチしてください
PVアクセスランキング にほんブログ村
子育てヒロシのオフィシャルブログ - にほんブログ村